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  • 週末 7点目の陶彫成形
    今日も蒸し暑い一日でしたが、九州に近づく台風10号の影響か、突如大雨が降ったり、また日差しが戻ったりして安定しない一日でした。家内の親戚がいる奄美大島では大変なことになっているようで、被害を最小限に食い止められることを願って止みません。横浜は台風から遠い位置にあるため、危機管理的にはそれほど緊急を要してはいませんが、万が一にも備える必要を感じます。日本は自然災害から逃れられない運命にあり、昨年関東を襲った大型台風によって、自宅の雨樋が壊れ、部屋のあちらこちらで雨漏りが発生したことを思い出しました。自宅のリフォーム工事を始めたのは、自然災害が起因になっていると言えます。現在、台風が近づく地域の心配を我が事のように感じられるのは、そんな理由によるものです。さて、今日の工房での作業は9時過ぎに始めました。美大受験生が2人来ていて、デッサンや平面構成をやっていました。彼女たちも毎週やってくるようになりました。ウィークディはそれぞれ高校に通っているので、週末は疲れているだろうに、作品を作るパワーを失わないのは立派なものです。私は昨日準備しておいたタタラを使って、7点目の陶彫成形に挑みました。今日作った陶彫部品は、新作の中では中くらいの大きさになるものですが、高さは60センチくらいあって、積み木のように陶彫による直方体を積んでいくうちの2段目に当たる部品です。積み木のように積んでいく陶彫部品はボルトナットで留めることはしませんが、下の陶彫部品の上部に凹んだ部分を作り、そこに嵌めていくようにしています。それこそ地震等自然災害で彫刻が転倒しないように配慮しているのです。彫り込み加飾は今日のところは出来ませんでした。涼しくなればウィークディの仕事帰りに工房に立ち寄って、彫り込み加飾をやっていきたいと思っています。秋風が早く吹いてほしいと願っています。
    週末 9月最初の週末に…
    週末になりました。9月最初の週末になっても工房内の気温は相変わらずで、蒸し暑い環境の中で制作を余儀なくされています。今日は暑さを避けて朝7時に工房に出かけ、制作を開始しました。朝7時から夕方3時までの8時間を作業に費やしました。その間、朝食と昼食にそれぞれ30分程度、自宅に戻ってきました。9月から凌ぎ易くなることを想定して、制作工程を組んでみましたが、なかなか思惑通りにはいかず、身体に負担を強いて、夜はぐったりしてしまいました。制作内容としては、先週作った陶彫成形の彫り込み加飾が終わっていないため、新しい土練りをする前にまず彫り込み加飾を行ないました。続いて土錬機を回して土練りを行い、明日の陶彫成形のために座布団大のタタラを数枚用意しました。土練りやタタラ作りはほとんど肉体労働で、汗が噴き出てきました。このところ毎回そんな作業なので、大分慣れてきていますが、若い頃に比べると地力が多少衰えている気がします。まだ作業場を他に借りて作業をやっていた頃は、汗でびっしょりになったシャツを何枚も替えつつ、余力を残してその日の作業を終えていましたが、最近は休憩を取ることが頻繁になり、ノルマの作業を終えるとぐったりして動けなくなります。休憩は扇風機の前を陣取って、暫し目を瞑ってじっとしています。昔もそうだったのか記憶にないのですが、疲労の具合が違うような気がしてなりません。夜になって多少体調が回復したので、自宅の食卓でRECORDの追い込み制作を行いました。深夜0時までRECORDをやっていました。今日は充分成果を上げた一日でした。明日は陶彫成形を頑張ります。
    9月RECORDは「紫」
    このところ蒸し暑い工房には長く留まれず、その代わり空調の効いた自宅の食卓をアトリエの代用にして、RECORDの制作に時間を割いています。下書きばかりが先行するRECORDですが、だいぶ解消してきました。RECORD制作が厳しかったのは、春に自宅のリフォーム施工を行なっていたため、暫く食卓が使えず、そうかといってリビングでは気持ちが落ち着かず、結局毎晩下書きだけをやっている生活が続いてしまったことが原因でした。今年は色彩をテーマにしていることがあって、その都度下書きから色彩のイメージを思い出しながら、RECORDの追い込み制作をやっていました。今月は「紫」でいこうと決めました。紫にもさまざまなバリエーションがあり、とりわけ私は日本の染めの美しさに惹かれています。本紫の染めは紫根染と言われていて、高貴な印象があります。事実、僧侶の紫袈裟は最高位を示すものです。紫の布上に文様が鮮やかに映えているイメージなどを取上げて、今月のRECORDにしたいと思っています。紫色は青色と赤色の中間色になり、菫(すみれ)色に近く、面白いのは醤油の別名になっているところです。醤油を「むらさき」と言うといかにも美味しそうな印象をもつのは私だけでしょうか。今月は高貴な色彩に相応しいデザインを考えていきたいと思います。
    9月の制作目標
    今月は4回の週末があり、そのうち1回は4連休になります。陶彫制作においては、土曜日に土練りをして座布団大のタタラを数枚用意し、日曜日に成形や彫り込み加飾を行うのが定番になっています。その制作工程のうち一番時間がかかるのが彫り込み加飾で、週末だけではやり終えないこともあります。涼しくなればウィークディの仕事帰りに工房に立ち寄って、たとえ1時間でも彫り込み加飾をやろうと思っています。ただし、現状の蒸し暑い工房ではなかなか意欲が湧きません。ともかく4回の週末で4点の陶彫部品が作れるはずで、そこは計画的にやっていこうと思っています。4連休では新作の土台を作ろうと思っていて、木材は既に購入してあります。厚板材による土台は円形になり、その中に陶彫部品を配置していきます。私は2009年に「構築~起源~」という木彫だけの作品を発表しています。それは土台に穴を刳り貫いて、そこから木彫した柱が何本も立ち上がる作品になりました。さまざまなカタチをもつ柱が群を成してニョキニョキ生えてくるイメージがありましたが、今回の新作では木彫の柱ではなく、直方体の陶彫部品が群を成すイメージがあって、架空都市を見下ろしているような印象になるだろうと思っています。4点の陶彫制作と土台の制作開始を今月の目標にします。もうひとつ考えているのはRECORDの下書き解消です。RECORDの年間撮影を例年9月末から10月初めに行っているので、それに間に合わせようと今月は頑張るつもりです。あれもこれも欲張っていますが、涼しくなることを想定して、制作目標を立てている次第です。
    茅ヶ崎の「國領經郎展」
    既に閉幕している展覧会の感想を取り上げるのは恐縮ですが、横浜生まれの國領經郎の画業を自分なりに振り返ってみたいので、詳しい感想を掲載させていただきました。広漠とした砂丘に人物の群像が描かれた絵画が、私の知る國領經郎の世界です。描かれた人物像に生々しさはなく、西洋の古典画法を彷彿とさせる象徴的で様式的な美の世界がそこにあります。國領經郎の世界を眺めていると、イタリアのルネサンス絵画を見ているような錯覚に陥るのは何故なのか、國領經郎はこの大きなスケールで何を求めていたのか、何を表現したかったのか、図録にあった解説からヒントを得ることにしました。「両親との思春期の死別、不穏な時局下の僻遠無縁の地への単身赴任、そして不条理な戦争と兵役という一連の体験によって色を濃くしていった孤独感は、國領の脳裡に消しがたく伏在しつづける。この体験からおよそ20年を経て、國領を砂丘・海浜の空間、砂の主題に逢着せしめることとなった。むしろ、そこにいたるまで、20年の歳月を要したというべきだろう。~略~心の奥に内在するイメージ(心象)が造形に先行するのであれば、そこに現実のモデルの肉体を持ち込むと逆に不自然になり絵にならないのだという。あらかじめ想定されているイメージにふさわしい人物の輪郭、『しなやかな線』といい『理想の線』とも述べる線で象られた人物は、イメージの主要な構成要素であると同時に、背景にある海岸線や砂丘のかたち、雲や草花などの他の要素に呼応し、またはそれらと相補して画面全体の造形に奉仕するものでなければならないだろう。~略~國領は、ボッティチェッリのヴィナスに、性と聖、この二項が絶妙に均衡した、メランコリーとコケティッシュな羞恥をまとう肉体を認めている。」(柏木智雄著)國領經郎の世界には、やはりボッティチェッリを代表とする西洋の古典が入っていて、描かれた人物像にはニーチェが「悲劇の誕生」で象徴したアポロン的理性があるように思えます。人物は時に情念を醸し出しますが、國領經郎の世界の乾いた感性は、我々が知る情念や情動とは別の雰囲気を纏っているように私には感じられました。