2020.05.06 Wednesday
ゴールデンウィーク5日目になり、今日で連休が終わります。連休中は自宅と工房の行き来だけで、ほとんどどこにも出かけず、陶彫制作一辺倒でした。敢えて言えば仏壇を購入しに家内と仏具店に出かけたくらいです。仏壇は家内の実家にあったものを既に自宅に持ってきていて、さらに私の実家にも大きな仏壇があります。私たちはそれぞれ両親が他界しているので、この際小さめの仏壇をふたつ購入して並べて置くことにしたのでした。リフォームした自宅にはふたつの仏壇を収納する場所を確保してあります。先祖に対する考え方は人それぞれですが、私たちは最低限の儀礼でやっているのかもしれないと思いつつ、今回のリフォームを契機にこうしたことも考えたのでした。さて、5日間の連休でしたが、改めて陶彫制作を振り返ってみたいと思います。初日に立てた制作目標のうち、テーブル彫刻「発掘~突景~」に設置する3点の陶彫部品の成形と彫り込み加飾は全て完了しました。後は乾燥を待って窯に入れようと思っています。小品「陶紋」5点の成形は終わりましたが、彫り込み加飾は今ひとつで、完了までは至りませんでした。屏風と床置きの大作「発掘~聚景~」は手がつけられず、屏風と床を繋ぐ陶彫部品の制作は出来ませんでした。テーブルの油絵の具の滴り作業も同じで、ついに時間が取れませんでした。長いと思っていた5日間でしたが、制作目標の6割程度しか出来なかったことは反省です。5日間を通して時間の使い方が緩かったように思います。それを踏まえて今後の制作工程を見直していこうと思っています。明日は職場に出かけ、今後の見通しを立ててくる予定です。新型コロナウイルス感染拡大の影響は、さまざまなところに出てきていて、在宅勤務になり時間が出来ても創作活動に邁進することがままならない状態です。人の心理はそんな簡単なものではないのが実感としてあります。それでも気持ちが落ち込まないのは創作活動があるが故とも思っております。
2020.05.05 Tuesday
ゴールデンウィークの4日目を迎えました。一昨日から小品「陶紋」の制作に入っていて、今日も制作を継続しました。新作の「陶紋」は5点作る予定です。そのためのタタラを準備していたので、今日は昨日に続いて4点の成形を行いました。成形した「陶紋」は全部で5点になり、次の段階としてそれぞれ成形したカタチに彫り込み加飾を施すのですが、暫し悩んでみた結果、若い頃に旅したギリシャの山間に点在する遺跡に思いを馳せることにしました。風景の中に遺跡だけがポツンと存在する光景は、実に不思議な感覚を私に齎せました。街の中ではなく樹木に覆われた自然の中に取り残されたようにあった遺跡はギリシャだけではなく、東南アジアにも見られました。木の根が遺跡を覆っていく姿は、人工の構築物が自然に還っていくように思えて、地球が傷ついた箇所を瘡蓋によって治癒していくとイメージした私は、嘗てそのテーマで詩作をしたこともありました。自然にしてみれば、人が街を作ることは痛みを伴うのではないかと私は勝手に想像したのでした。自然の治癒力によって地球が保護されているようにも感じました。それは現在の日本にも当て嵌まり、度重なる自然災害によって、思いあがりすぎた私たちの生活は戒められているのではないかと思っているのです。現在流行している新型コロナウイルスも地球規模で私たちを翻弄し、それによって私たちは何かに気づかされているとも思っています。昔から人類は自然と対峙してきました。自然の一部にウイルスが存在し、それを克服すべく私たちは戦ってきたのです。また自然との融和を求め、折り合いをつけてきました。古代文明は私たちの祖先が自然と亘り合ってきた歴史の結果遺産です。風景には人がコントロールしている部分と、そうではない部分が混在しています。自然の全てを私たちが支配することは間違っていると私は考えます。バランスをとって自然と私たちの生活が共存していくこと、それを私は彫刻に籠めたいと思うようになりました。「陶紋」は小さな作品ですが、そこに籠めようとする思いは自分の身の丈に合わないくらい大きなものです。そんなことをあれこれ考えていたら、彫り込み加飾が遅々として進まない状況になってしまいました。
2020.05.04 Monday
陶彫による小品は、10数年前のギャラリーせいほうで開催した最初の個展から出品し続けています。まず最初は「球体都市」40数点を何年かに亘って展示しました。「球体都市」は既に売れた作品もあります。次に始めたのが「陶紋」で現在も続いているシリーズです。これは「陶紋」というタイトル通り、陶彫表面に施した彫り込み加飾を全面に出しているもので、基本となる形態は毎年変えています。今年は三角形を基盤にした形態を作ることにしました。三角形はテーブル彫刻に設置する陶彫部品から発想したもので、その変形として単体で成立する作品にしました。「陶紋」はサイズが小さいので撮影の際に野外で撮ることが多く、また持ち運びも楽なので様々な場所に出かけて、カメラマンに撮影をお願いしてきました。ホームページのLandscapeに「球体都市」や「陶紋」の野外撮影をした画像がアップされています。これら小品が大きく見えるのはカメラマンの技量によるところが大きいのですが、光や水や空気を感じる画像は我ながら美しいと感じます。今年作り始めた「陶紋」は上部の三角形を微妙に歪ませて、そこに箱庭的な風景を取り込む試みをやっています。小さな作品ほど大きな世界観を持ち込むのが私の流儀です。ひとつひとつの作品にイメージを凝縮させていくので、大作の集合彫刻とは違った神経の使い方をしています。今日のところはまず最初の1点を試してみました。明日も継続ですが、1点ずつ心を籠めるので遅々として進まないこともあります。彫刻は精神の産物だなぁと感じるのは大作よりも「陶紋」を作っている時で、技巧的には大作の方が辛いのは事実ですが、手が動かなくなるのは「陶紋」の方です。じっと見つめていてかなり時間が経ってしまうことも多々あります。周囲を遮断して作品のことだけを考える時間は、連休あればこそで感染症防止の外出自粛も一役買っているのかもしれません。
2020.05.03 Sunday
テーブル彫刻「発掘~突景~」はテーブルの上に3点の陶彫部品を置く計画で、昨日から3点目の陶彫制作に入っています。3点目の陶彫部品は一番小さなサイズで、テーブルの真ん中に置く予定です。成形から彫り込み加飾までを7時間くらいかけて作りました。工房ではラジオを流していて、FMヨコハマから音楽と共に、DJが自宅で過ごす方法をさまざま提案していました。新型コロナウイルス感染拡大を防ぐため緊急事態宣言が出されていて、ほとんどの人たちが自宅で過ごしています。こんな時だからこそ自宅で出来ることを考えてみようとDJは呼びかけていました。今年のゴールデンウィークはまさに前代未聞の民族移動のない連休になっています。工房に篭って、まるで世相に関係のないことをしているのは私だけではないかと思うところです。私には創作活動があって良かったと家内に言ったら、私がやっていることは感染症の流行があろうがなかろうが、普段から特殊なことをやっているから他者との関係性が薄いんだよと答えてくれました。そう言えば最近はゴールデンウィークにどこかに出かけた記憶はありません。陶土に面と向かって格闘していることばかりで、私は人の動静には無関心だったなぁと思っています。3点目の陶彫制作が一段落ついたところで、次の作品の準備をしました。座布団大のタタラを数枚掌で叩いて作りましたが、次は小品を作るつもりです。小品のイメージは現在作っている陶彫部品と無関係ではありません。テーブル彫刻「発掘~突景~」も同じことが言えますが、サイズでどうであれ、私はいかなる場合でも風景を作っている錯覚に囚われています。建築物が発想の土台にあるためか、陶彫は大きな建造物の雛型のようであり、または箱庭を作っているような感覚を持っています。それを「発掘~聚景~」のように屏風と床置きで見せるか、「発掘~突景~」のようにテーブルに仕立てるかの違いで、造形的主張を試みようとしていることの根は同じです。小品「陶紋」も風景を作っているのです。小品は明日から取り組みます。
2020.05.02 Saturday
今日からゴールデンウィークとして5連休になります。この5日間の制作期間をどのように使うか、見通しをもって制作に励みたいと思います。まず、乾燥に時間が必要な陶彫制作を優先させることにします。現在取り組んでいる「発掘~突景~」の3点目の陶彫制作をまず行うことにしました。次に「発掘~聚景~」の屏風と床置きの陶彫部品を繋ぐ陶彫部品の制作。これは実際に作品群を全て置いてみないと大きさや数が分かりませんが、早めに段取りを組んでやっていきたいと思います。さらに時間があれば、例年個展に発表している小品「陶紋」の新作数点を挙げておきます。これはイメージが既にあって、すぐにでも作り始められる状態です。今回は「陶紋」を5点ほどを考えていますが、小さな作品と言えども結構手間暇がかかる作業になり、大作に引けを取りません。陶彫制作はどんなサイズであれ、土練などの準備のために立て続けに制作が出来ないところがあり、テーブルに油絵の具を滴らせる作業を、陶彫制作の隙間に入れていきたいと考えています。その他にテーブルを支える柱の木彫がありますが、5連休でそんなに欲張っても出来ないかもしれません。今日はゴールデンウィーク初日にして気持ちの良い天気になりました。気温がぐんぐん上がり、夏日と言ってもいいような体感でした。私は半袖のシャツになり、多少汗が滲みました。3点目の陶彫部品のために座布団大のタタラを数枚準備しました。一日放置して明日から成形に入ります。まとまった連休は通常の週末とは違い、継続した作業が可能なので制作に弾みがつきます。「発掘~突景~」の3点の陶彫部品は彫り込み加飾まで完了するのではないかと思っています。既に2点の陶彫部品が彫り込み加飾まで完了して乾燥を待っている状態ですが、三角形を基盤とする立体造形は今までの雰囲気と異なっています。そういう意味で「発掘~突景~」の完成が楽しみになっています。明日も継続です。