2020.07.08 Wednesday
今年のRECORDは色彩をテーマにしています。一日1点ずつポストカード大の平面作品をRECORD(記録)と称して作っていますが、一日で作品が完成せず、下書きだけで終わってしまう日が多くあります。下書きには色彩がありませんので、下書きばかり先行している現状は危機的状況です。それでも今月のRECORDが既に始まっていて、今月は「朱」に決めています。4月のRECORDで「紅」を取り上げましたが、赤系列の色彩としては2度目です。今回も日本の色彩用語の中から色彩を選んでいます。西洋の色相環とは異なり、日本には情緒のある微妙な色彩があって楽しいなぁと思っています。若い頃の自分は色彩表現が苦手で、デザイン分野に進学することを諦めました。色彩が楽しいと感じたのは、20代後半に滞欧生活があったからと言えます。ヨーロッパの人たちの色彩に対する感覚は、なかなか優れていて、色彩の取り合わせが大胆かつ繊細だなぁと思いました。ヨーロッパは1年間を通じて鬱陶しい曇り空の日が多く、建物もグレートーンでしたが、その中で目に染みるような鮮やかな色彩があると、単調な風景の中でハッと驚くような刺激をもらいました。たとえばそれはファッションであったり、グラフックデザインであったりしましたが、それは原色ではなく何か少量が混色している色彩で、その取り合わせによって色彩が輝くような効果を齎しているのです。日本の味わいある色彩に触れたのもヨーロッパでの経験で、海外の人の眼を通して日本には素晴らしい色彩文化があると再認識をしました。「朱」はそうした色彩のひとつです。他の色彩と組み合わせることによって朱色が強調されるようなRECORDを目指します。
2020.07.07 Tuesday
「形式論理学と超越論的論理学」(エトムント・フッサール著 立松弘孝訳 みすず書房)は本論に入る前に「序論」があり、さらにそれに続く「予備的な諸考察」もありました。今回は「予備的な諸考察」の全11節のうち第5節~第8節のまとめを行います。この書籍は少しずつしか噛砕くことが出来ず、そのつど抽出した文章を載せて留めることが私に出来るまとめとしての限界ですが、諸学問に内在する論理学の在り方をさまざまな論考で述べていて、聞き慣れない語句に戸惑うこともあります。まずアプリオリですが、先天性の概念とでも訳すのでしょうか。「原理的な学問論としての論理学は《純粋で》《アプリオリな》各種の一般論を明示しようとする。~略~この論理学は既存のいわゆる諸学、すなわち学という名で諸事実になった文化の諸形態を経験的に追跡して、それらについて経験的な諸類型を抽出しようとするのではない。そうでなく、論理学にとっては範例的な批判の出発点を与えるだけの事実性とのあらゆる結びつきから解放されて、純粋に理論的な関心のあらゆる働きの中で漠然と念頭に浮かぶ、いろいろな目的理念を完全に明確にしようとするのである。」論理学の形成的性格に関する文章で、偶然的なアプリオリという概念が登場します。「主観性一般が、非常に多様な諸内容の中で引き続きわれわれが明証的に獲得する本質形式で考えうるのは、われわれが自分自身の具体的な主観性を直観によって開示し、そしてその主観性の現実を具体的な主観性一般の諸可能性へ自由に転換することによって、われわれの眼差しを、その際に観取される不変的要素へ、すなわち本質必然的な要素へ向けることによってのみである。」また「論理学が抜群の規範的機能をもつことは自明である。~略~論理学は規範的になり、実践的になる。見方を適宜変更すれば、論理学は規範的ー技術論的な学問に転換されうる。」とありました。また論理学の二面性について、こんな文章も拾っておきます。「どの場合にも問題になるのは理性の諸能作であり、しかも〔一方では〕能作する諸活動と各習性であり、そして他方では、それらの活動と習性によって能作〔つまり作成〕される不変の諸成果という、この二重の意味での理性の諸能作である。」今日はここまでにします。
2020.07.06 Monday
「形式論理学と超越論的論理学」(エトムント・フッサール著 立松弘孝訳 みすず書房)は本論に入る前に「序論」があり、さらにそれに続く「予備的な諸考察」もありました。今回は「予備的な諸考察」の全11節のうち第1節~第4節のまとめを行います。まとめと言っても重厚な考察を簡単にまとめることが出来ず、気になった文章を抽出することでまとめに変えたいと思っています。まず冒頭でロゴスをいくつかの語義の中から論述という語で表すことにしたという文章がありました。「ロゴスがもつ論述という意味によれば、われわれは主に、主張する思惟作用へ、通常の語義での判断する思惟作用へ、というよりはむしろ思想としての諸判断へ導かれるであろう。」次の節ではイデア性が登場します。このイデア性の特徴として「言語はいわゆる精神世界の、あるいは文化世界のいろいろな対象の客観性を保持しているのであって、たんに物理的な自然のそれを保持しているのではない。」さらに「論理学者にとって言語は当面まずそのイデア性の面だけが、つまり〈現実の実在化や可能な実在化とは対照的な、同一の文法上の語〉や〈同一の文法的な文および文の連関〉だけが問題になる、ということである。」第4節では意味指示機能をなしうる思惟作用のことをこのように論述されていました。「この最も一般的な《思惟作用》の範囲を本質的に限定する問題、つまり範例的な諸直観から本質を一般化してえられる本質類を明示すべき範囲限定の問題、しかもこの《思惟作用》のすべての特殊形態にとって類的に諸表現が形成され、そしてそれらに対してそれぞれ特殊な思惟作用が意味付与するであろうということが、洞察しうるような範囲限定の問題である。」今日はここまでにしますが、通常の生活では聞き慣れない語彙が頻繁に出てくる本書は、内容には入り込むまでに時間を要します。そもそもこれはどういうことかという基本に立ち返って考えてみる必要があるわけで、そこを困難と感じるか否かで、本書に対する取り組む姿勢が変わってくると思っています。
2020.07.05 Sunday
昨晩、案内状の宛名印刷をしていました。案内状が届かない人にはホームページの扉にある画像を利用して欲しいと伝えましたが、表の画像には開催時間が載っていませんでした。AM11:00~PM6:30です。因みに開催期間のうち連休があります。海の日、スポーツの日、週末である土曜日が3連休になりますが、この3日間は私がギャラリーにおります。案内状の裏には「ご来廊の際にはマスク着用をお願いいたします。」という文面を載せました。開館した美術館の多くは入場制限がありますが、ギャラリーは来廊者が少ないため、自由にお越しになれます。加えてギャラリーせいほうは広い面積があって、ソーシャル・ディスタンスは充分に取れます。ぜひ、お越しいただければと思っています。今日は朝から工房に篭りました。昨日に続いて梱包作業の追い込みをやっていました。追加購入した木材で木箱を作るべく準備をしていました。今日は工房に若い世代のスタッフが2人来ていました。一人は美大受験を考えてデッサンをしている子で、毎週必ずやってきます。静物デッサンのガラスの質感を出すため、かなり苦労をしていました。デッサンは伸び悩む時があり、思うように上手くいかないことがあります。それは私のような実材を使う彫刻表現でも同じです。創作活動は木箱作りのような定番の作業とは違い、自分の感覚との鬩ぎ合いです。それは苦しくて面白いので、つい魅力に取り憑かれてしまうのです。もう一人は詩やエッセイを書いている文学少女です。彼女も何時間も座ってノートに書き続けられる性格です。前にもNOTE(ブログ)に書きましたが、最近は10代の高校生たちが工房にやってきています。工房スタッフの若返りと言ってもよいと思います。通い始めた工房スタッフには昔から共通する特徴があります。比較的孤独に強く、あまり社交を好まない人たちで、人と群れることが苦手です。見た目は地味な子たちですが、自分の表現内容を深めることが大好きで、興味関心のあることには人一倍食らいつきがいいようです。ある意味ではオタクなのかもしれません。工房という空間が自分の内面に向かうことに相応しい場所なので、毎回通ってきているのでしょう。私も彼女たちがいると社会的促進があって仕事が進むので歓迎しています。
2020.07.04 Saturday
週末になりました。個展開催まで残すところ2週間になり、朝から工房に篭って陶彫部品を木箱に詰める作業をやっていました。梱包は既に作ってあった10箱が詰め終わり、これからさらに10箱程度を用意しなければならないかなぁと思います。今回は屏風を使った新作なので、例年より陶彫部品が小振りで、木箱も少なくて済むのではないかと感じています。さすがに今日は創作活動は出来ずに、朝から夕方まで木割が補強として入った木箱作りと、その詰め込みに費やしました。こうした作品保存のための仕事は大切です。とくに私の場合は集合彫刻なので、分解して保存しなければならず、そのために結構時間をかけています。どの木箱にどの陶彫部品が入っているのか、外側に明示しておくのです。搬入搬出は複数の人たちによって行なわれるので、誰でも分かるようにしておく必要があります。創作活動に比べれば退屈な作業ですが、こればかりは仕方ありません。夜になって自宅で個展の案内状の宛名印刷をしました。先日、ギャラリーせいほうに案内状を1000枚届けに行ってきました。ギャラリーから案内状を送る人と、私や家内が個人的に送る人がいて、私たちの手許には500枚あります。宛名印刷も一晩では終わらず、明日の夜も宛名印刷を行なう予定です。料金別納郵便として来週の月曜日には郵便局から出します。案内状が届かない人のためにホームページの扉に案内状の画像を載せています。そこで日程や時間を確認していただければ幸いです。このところ新型コロナウイルス感染が首都圏で増えています。以前のような緊急事態宣言はないと思いますが、果たして個展に足を運んでいただける方が何人いるでしょうか。私も個展開催中のギャラリー待機では、マスクをして完全防備で臨むつもりです。