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  • 週末 研修から帰り、陶土が届く
    昨日から横浜市の管理職で宿泊を伴った研修を行っていて、今朝自宅に帰ってきました。私がこの役職になる前は、毎年上司が参加していた宿泊研修は慰安旅行くらいにしか考えていませんでしたが、実際にこの立場になってみると、講演会や小グループによる意見交換を行っていて、しっかり研修をしているのがわかりました。外側から眺めているのと内側に入ってみるのでは大きな違いがあります。この宿泊研修が終わると、漸く夏休み気分になってきます。来週から職場は休庁期間に入り、私も夏季休暇を取らせていただきます。今日は昼ごろ、陶土が工房に600キロ搬入されました。栃木県益子町にある明智鉱業から送っていただいた陶土です。例年冬に陶土が不足してきて、明智鉱業に注文のFAXをしていますが、「発掘~根景~」は相当な分量の陶土を使ったため、早くも陶土が足りなくなっていたのでした。明智鉱業からは20年以上にわたって陶土を購入してきています。東京銀座のギャラリーせいほうもそうですが、明智鉱業ともつき合いが古くなりました。因みに横浜の懇意にしている運送会社とも、撮影をお願いしているカメラマンとも古いつき合いになりました。20年以上前は益子町に出かけていった折に、明智鉱業に立ち寄って、あれこれ陶土の種類を物色し、いろいろな陶土を少しずつ購入し、混合のテストピースを作っていました。現在の赤錆色の混合土に落ち着くまでに何年かかっただろうかと思い返していますが、東京銀座の個展は全て変わらない混合土で焼いたもので発表しています。600キロの陶土がやってきたことで創作へのパワーが湧いてきます。新作も決してサイズが小さいわけではありません。あるいは「発掘~根景~」以上に陶土を使うことになるかもしれません。
    8月RECORDは「収」
    私は律儀な性格なので、箱の中に何かがきちんと収まっているのを快く感じます。陶彫による集合彫刻にしても展示が終われば分解をして、自分が作った木箱に収めて、工房の倉庫に仕舞ってあります。今月は適度な大きさの箱にモノが収納されている状態を表現してみようと思い立ち、まずはRECORDでやってみることにしました。学生時代に美術雑誌で見たオブジェは、鞄に収まっていて運搬可能な作品であると説明がありました。鞄を開けるとその中に展開する造形的な世界観が、何とも素敵でした。碁盤の目のようになった棚に、ひとつずつ異なるオブジェが置いてあって、それぞれにドラマがあるような作品を見たこともあります。関連があるようでいて、まるでないような不思議な感じがしました。作者の中では統一したコンセプトが流れているのかもしれません。区切られた空間にモノが収まっていると、思わず注目してしまう心理が働くのを利用して、ボックスアートが登場してきました。アメリカ人造形作家コーネルのボックスアートに魅力を感じるのは、箱の中の空間という区切りが関係していると私は思っています。そこで、今月のRECORDのテーマを「収」にして、自分なりのボックスアート平面版を作ってみることにしました。今月は夏季休暇があるので、今まで遅れた分のRECORDもその際全て完成させていこうと思います。
    AKARIの展示について
    先日、出かけた東京オペラシティ アートギャラリーの「イサム・ノグチー彫刻から身体・庭へー」展。日系アメリカ人の彫刻家イサム・ノグチは、従来の彫刻の概念に囚われないさまざまな表現媒体によって、世界的な評価を得た巨匠です。その中でプロダクト・デザインに属する作品があり、若い頃に一時プロダクト・デザイナーを志したことがある自分は、憧れにも似た気持ちを持っています。私が注目したのは日本の提灯を造形化したAKARIでした。図録によると「照明によるモダン・デザインを考案することを目指していたノグチは、美濃地方の良質な和紙と竹を用いた提灯製作に魅せられた。」とあり、伝統的な岐阜提灯がAKARIの下敷きにあったことが分かりました。1985年の東京での展覧会で、建築家磯崎新が会場を手がけた演出方法が図録に掲載されていました。「桂離宮などからヒントを得た和室や、御影石のスレートを用い水面に見立てたコーナー。AKARIを蚊帳のように布や格子で隠したり、壁にアブストラクトな切り込みを入れて背景にあるAKARIを借景のようにトリミングしたり、意外性に富む展示であった。」(木藤野絵著)AKARIは竹の構造体に和紙を貼り、その中に照明を仕込んだモノで、柔らかな光とフワッとした軽量感に包まれた造形です。西洋的な空間よりも、和室の畳の上に置かれることで、美しい空間を醸し出すと私は思っています。薄暗がりの中に点在する光の揺らぎ。私は幼い頃に近所の祭礼で見た提灯行列を思い出し、「イサム・ノグチー彫刻から身体・庭へー」展の中では、遠い記憶を擽られるような異質な感じを持った一室だなぁと思いました。
    造形感覚を刺激する8月
    8月になりました。私は夏季休暇5日間と年休4日間をいただいて、通常の勤務から離れ、造形感覚を刺激する機会を得たいと考えております。例年東南アジアへ数日間の旅行に出かけていましたが、今夏は海外には行きません。東南アジア各地の世界遺産や有名な博物館は、それなりに刺激的で私に豊かなイメージを齎せてくれました。今夏の前半は島根県の出雲大社と足立美術館、後半は山形県に行く予定です。山形県はウィーン時代に知り合った画家サイトユフジさんの郷里です。サイトさんの奥様が亡くなられたのでお墓参りを兼ねています。サイト夫妻にはウィーン時代にお世話になっていて、私の個展にも山形県からわざわざ来られたので、一度お訪ねしようと思っていたのでした。旅行の合間は制作三昧の予定です。夏に少しでも陶彫制作を進めておかないと秋以降工程が厳しくなってしまうのは自明です。RECORDは今までの下書きを何とか完成させたいと願っています。鑑賞は東京で大きな展覧会が複数開催されているので1日かけて回りたいと思っています。映画鑑賞も東京や横浜にあるミニシアターに出かけていきます。読書は現象学関連の書籍に引き続き挑みます。これらは今月では到底読み切れないだろうなぁと思っています。暑い8月に熱い心で刺激を求めるつもりです。 
    酷暑の7月を振り返る
    今日は7月の最終日です。7月は毎年ギャラリーせいほうで個展を企画していただいているので、私にとっては年度替わりのような気分がしています。新たな作品を作り始める1ヵ月でもあるのです。実際の制作はもっと前から取り組んでいますが、新作に心底埋没できるのは今月からです。新作の陶彫部品のひとつを成形してみました。この方向でいこうと決めるのも今月です。ここから来年7月の個展に向かって走り出すのです。個展準備に追われた1ヵ月でもあったので、鑑賞の機会は充分ではなかったと思いますが、それでもお台場の「デジタル アート ミュージアム」でチームラボによる映像体験をしてきました。「イサム・ノグチー彫刻から身体・庭へー」展(東京オペラシティ アートギャラリー)、職場の人による絵画グループ展(横浜関内)、大学の同期だった彫刻家のグループ展(東京京橋)にも足を運びました。映画鑑賞では「ビューティフル・ディ」(シネマジャック&ベティ)、「ゲッベルスと私」(岩波ホール)に行きました。多忙にも関わらず、まずまずの鑑賞だったかなぁと振り返っています。RECORDは厳しい状況に追い込まれています。個展準備の時は、日々制作すること自体に無理が生じ、また下書きだけのRECORDが食卓に山積みされているのです。これは仕方ないかなぁと思いつつ、来月はこれを解消したいと思っています。読書はフッサールの現象学に取り組み始めましたが、難解な語彙とその意味するところに悩まされ続けています。途中放棄だけは避けたいと思いながら、少しずつ読み進めています。現在は日本人哲学者によるフッサールの現代的解釈を読んでいますが、次にフッサールの翻訳本に挑みたいと思っています。