2017.10.23 Monday
一昨年の個展で発表した「発掘~丘陵~」をホームページにアップしました。ホームページはカメラマンの画像表現に任せるところが大きく、自分との共同作業で作っているアイテムです。土を練って成形と加飾を行い、窯入れをして完成させる陶彫はアナログの極致です。電気窯の温度を制御するため電子機器が使われている以外は、全て手で作り上げる作品のため、縄文や弥生時代の出土品のような雰囲気を醸し出していこうと、私は意図的に考えているのです。そうした原始的な作品をデジタルの画像にして、その効果を最大限に生かしているのが、私のホームページです。幾度かNOTE(ブログ)で取上げているアナログとデジタルの違いを感じ取れるのが、こうしたホームページだろうと思います。立体作品は実在なるが故に、光と影が織り成す面白みがあるのです。写真に撮ってみると意外な視覚効果のある平面作品が生まれます。それを制作者である彫刻家ではなく、カメラマンに託すことで世界観が広がると私は考えています。「発掘~丘陵~」は木材で作った4体の土台に、40個の同じ形態をした陶彫部品を乗せた集合彫刻で、パノラマのように俯瞰できる景観を作り出しました。なだらかな丘陵を厚板で階段状にして、そこに砂マチエールを施し、陶彫部品との一体化を図りました。カメラマンはカメラを携えて、彫刻の中を散歩して「発掘~丘陵~」の光と影を捉えます。切り取った画像は、初めのイメージを超えて、別の作品のような感じを持ちます。また画像を眺めていると、制作当時のことを振り返る機会にもなります。筒型の陶彫部品は、寒々とした冬に一晩にひとつずつ作った記憶があるので、何年か前に私はウィークディの夜に工房に頻繁に通ってきていたのです。40個を作り終えた時にホッとした思い出が甦ります。「発掘~丘陵~」をアップするにあたり、私は毎晩坦々と陶彫部品を作っていた気持ちを、丘陵を歩く自分に見立ててコトバを綴りました。Galleryのページを見るには左上にある本サイトをクリックしてください。ホームページの扉が表示されますので、Galleryをクリックしていただければ、そのページに入れます。ご高覧いただければ幸いです。
2017.10.22 Sunday
今日は衆議院選挙がありました。私は海外で暮らしていた数年間を除いて、ほとんど選挙には出かけています。両親は決して国政に興味があったとは思えないのですが、国民の務めとして選挙には行くべきだという真面目な姿勢があったため、20歳になった時から自分は両親と選挙に行っていました。若い頃、政治色の強い演劇や映画を頻繁に観ていたくせに、私は足元の国政には興味が持てず、両親と出かけた会場で何となく投票する人を決めていました。30代で公務員になり、50代で管理職になってから、私たちの職種に大きく関わる政党や立候補者の政策を確認するようになり、私の小さな一票が私たちの職種に有益なことを齎せてくれるように願うようになりました。そんなわけで今日は朝から選挙に行ってきました。現在、私は自分たちの職種ばかりの状況だけでなく、国際情勢や日本が置かれている立場にも関心があるのは、管理職としての自覚ではないかと思っています。選挙の後、工房に篭りました。台風が接近しているようで、時折強い雨風が工房の外壁に当たっていました。現在の土錬機で混合した陶土が今日でいよいよ最後になりました。先日から土錬機のモーターが壊れていて陶土が作れていません。新しい土錬機は来月搬送されてくることになっているので、今日作った5個目の「根」部分の陶彫部品で一旦成形を休みます。現在ある陶土は全て使い切りました。またいつものように彫り込み加飾は、ウィークディの夜に工房に通って作業をしようと思います。今後の制作目標が大きく変わりますが、こればかりは仕方ありません。次回から乾燥した大きな陶彫部品をヤスリで仕上げて、化粧掛けを施して窯に入れていこうと思います。新しい土錬機がやってきたら陶彫成形の続きを行うことにします。窯での焼成が始まると、電気の関係で暫し工房が使えなくなります。ウィークディにやってくるスタッフにも伝えておかなければなりません。土錬機のアクシデントはありましたが、制作工程は良い具合に進んでいます。来月は再来月との工程の差し替えをやって、今年は早い時期に窯入れを行うことになりそうです。
2017.10.21 Saturday
昨夜、職場ではイベント終了時から皆で慰安を兼ねて箱根に旅行に出かけました。私は家の用事があるため、自分の自家用車を使って箱根に向かいましたが、職員は大型ワンボックスカーに乗って行きました。湯に浸かったり、美味しい料理に舌鼓を打ったり、若手職員が仕込んできたレクリェーションをやって、全員で楽しく一夜を過ごしました。私たちは研修好きな職員が多いため、二次会はベテラン職員から若手職員に対する人材育成のような会になってしまいましたが、それでも和気あいあいとした雰囲気はありました。1年に一度はこういった機会があった方がよいと私は思っています。今日は箱根から帰ってきました。午後は工房で作業を行いましたが、早々に切り上げて、家内と買い物に出ました。実は2つある私の眼鏡のうちひとつが壊れてしまい、視力も最近衰えてきたので、新しい眼鏡を購入したいと前から思っていたのでした。私の行きつけの眼科は横浜駅にあるスカイビルです。そこで検眼をやってもらい、隣接された眼鏡店でフレームを選びました。私は二足の草鞋生活を送っているため、横浜市公務員としての顔と彫刻家としての顔を変えたいと思っていて、眼鏡はそのための重要なアイテムなのです。今回購入した眼鏡は彫刻家用です。ちょっと芸術家風に見えるお洒落なフレームにしました。形振り構わずやってきた二足の草鞋生活ですが、ちょっぴり眼鏡でカッコつけたいと思ったひと時でした。
2017.10.20 Friday
私の職場は年間に何回か、職場全体をあげて大きなイベントを企画しています。昨日と今日は連続してイベントを行いました。それが何のイベントなのか、同業者の中には察する方もいらっしゃいます。NOTE(ブログ)は拡散するので、具体的に職業を申し上げられないのが残念ですが、そのイベントの中で使った映像媒体がとても効果的なので、私はいろいろな場面で宣伝をしていて、このNOTE(ブログ)でも広報している次第です。映像媒体とはプロジェクション・マッピングのことです。横浜のみなとみらい地区にあるドッグヤード・ガーデンや東京ディズニーランドでも、建造物に映像を映し出して見事な演出を行っています。それを私の職場では、大きな室内を使って行っているのです。昨年は初めての試みだったため、成功するかどうかわからなかったので、近隣にしか知らせませんでした。今年は神奈川新聞社を呼んで取材を依頼しました。昨年は大学の映像研究室から借りた機材で行っていたプロジェクション・マッピングでしたが、今年は予算の中で強力なプロジェクターを購入し、昨年に続いて映像専攻の大学生にも手伝ってもらい、自分たちの手で作り上げたのでした。プロジェクション・マッピングはまだまだ可能性のある映像媒体だと私は思っています。演劇やショービジネスの中では一般的な方法になってきたプロジェクション・マッピングですが、私たちの職種ではなかなか浸透しない媒体です。イベントの達成感は充分あるので、試したいとお考えのある職場の方であれば連絡をください。と言っても同業者でなければ分からない連絡先なので、このNOTE(ブログ)を読んでいただいている多くの方々には失礼を申し上げますが、そのうちプロジェクション・マッピングを使った本職場のイベント状況が神奈川新聞に掲載されますので、そこで情報を仕入れていただければ幸いです。
2017.10.19 Thursday
先日より「安藤忠雄展」について書いています。個展会場である東京六本木の国立新美術館には、実寸大の「光の教会」を初め、多くの巨大な展示が後半部分の空間を占めていて、まさに壮観な感じがします。ヨーロッパの古都では歴史的建造物をそのままにして、内部にコンクリートの壁で囲まれた空間を挿入して、現代美術館に再生したプロジェクトがありましたが、街の景観を残すコンセプトに、私は賛同いたします。豊かな自然を取り入れた建造物も、立地を生かす工夫が凝らされていて、未来の建築のあり方を見ているようで、その発想に驚いてしまいます。その原点は、安藤氏がまだ駆け出しの頃にデザインした、狭い路地に建つ長屋の再生ではなかったかと思います。図録の中にある本人の文章を引用します。「私の建築活動は、都市住宅の設計からスタートしました。そのひとつひとつの仕事に無我夢中で取り組み、試行錯誤する中で『徹底して単純な幾何形態の内に、複雑多様な空間のシーンを展開させる』あるいは『コンクリートという現代において最もありふれた素材をもって、どこにもないような個性的な空間をつくりだす』といった、今日に至るまでこだわり続けている、私なりの建築のテーマが見つかりました。その意味で、私にとって住宅こそが建築の原点です。」安藤氏は大阪の三軒長屋の中央の一軒をコンクリート打ち放しのコートハウスにしました。中庭があるため、雨天の日の部屋から部屋への移動には傘が必要となる住宅ですが、そこに住む人が多少の不便を抱えても、「住吉の長屋」に住みたいと思うのは空間の美しさ故でしょうか。建築家の個性に惚れぬいた人なら、それも可能でしょうが、生活雑貨に溢れた無秩序な生活ぶりになってしまう可能性がある人は、自分を律することの方が厳しいかもしれません。