2016.08.10 Wednesday
現在は新作を始めて間もない時期ですが、今回の作品は旧作からヒントを得て、イメージを膨らませた作品になりそうです。10年前、2回目の個展に出品した「発掘~円墳~」と「発掘~地下遺構~」はテーブル状の彫刻作品でした。今思い返すと旧作2点はまだ整理が出来ていない部分があって、造形要素が多すぎる傾向が見られます。集合彫刻の陥りやすいところですが、さまざまな要素が盛り込まれているため、旧作を振り返り、その中から選んだひとつの要素を発展させていくことで新しい作品を生み出せるのではないかと思うところです。今回は要素のひとつから新作のイメージを掴みました。作品は作り続けていくと、思考が先鋭化していき、無駄なカタチが剥ぎ取られていくように思えます。贅肉を削り取ったカタチは美しいと感じています。そんな思いを抱きつつ新作の陶彫部品の制作に精を出しています。このところ職場の閉庁期間を利用して毎日工房に通っています。猛暑で作業をするだけでも汗が流れてきますが、ひとつイメージが決まれば、意欲に駆られて暫し暑さを忘れる瞬間があるのです。創作の呪縛が始まったと言っても過言ではありません。まだ具現化されていない新作を頭で思い描くことは何にも増して楽しいのです。その楽しさだけが自分を支えていると思っています。彫刻は日常で役に立たないモノですが、彫刻に限らず非日常なモノは自分の心を豊かにします。人が休暇を取り、さまざまな体験しようとするのも、非日常を求めてストレスを解消するためだと言えます。その究極が創作活動で、自らの中から非日常を創出することは至福の喜びです。周囲の人からすれば趣味とも遊びとも捉えられる行為ですが、自分にとって創作活動は精神のバランスをとる重要な行為なのです。
2016.08.09 Tuesday
一日1点ずつポストカード大の平面作品を作っています。毎晩食卓で飼い猫のトラ吉に邪魔されながら制作しています。5日間を連作にして展開する絵柄にしていますが、具象から抽象まで表現方法はさまざまです。年間でテーマの表示方法を決めていて、今年はひらがな4文字でやっています。今月は「みわたす」にしました。今月の中旬にインドネシアに出かけます。仏教遺跡ボロブドゥールとその周辺遺跡を見に行くことが目的で、その遺跡に立ち、周囲を見渡して、空気を感じてみたいと思っているのです。テーマとして考えた「みわたす」は、まさに遺跡描写を試みるためのものです。インドネシアにまだ行っていない現在は、風景を象徴的に捉えたイメージを描いています。これは彫刻のイメージの蓄積とも考えていて、次に繋げるイメージ・トレーニングになっていると思っています。絵画的な描写を繰り返していると、そこに厚みや空間を感じとり、やがて実材が入り込んで立体になってしまう思考傾向が自分にはあります。RECORDにも立体として捉えている連作もあります。とりわけ古代建造物の参考資料を見ながらRECORDにしている場合は顕著です。今月は長期休暇がとれるため、通常は制作時間が圧迫されて睡眠時間を削りながら作っているRECORDを、じっくり時間をかけてやれる余裕があります。だからと言って完成度が高くならないのが創作活動の不思議なところです。因みに作品の完成度とは、力みすぎずに自然に完成に導かれる時に、突如良いものが出来たと実感することです。そんなことは滅多にないものですが、今月も奇跡を信じて頑張ってみます。
2016.08.08 Monday
晦日や正月がある越年の冬に休庁期間がありますが、今年度から私の職場では夏にも閉庁期間を設けることになりました。今日から来週の月曜日までが閉庁期間で、「山の日」と週末を除くと、閉庁日は5日間になります。お盆で帰郷する職員もいて、毎年この時期は全職員が揃いません。それならばいっそのこと全体で休もうと私が提案しました。メール便や新聞を止めて、電話も留守電対応にしました。有事には統括部署を通じて私の携帯電話にその旨が伝えられます。全職員を集めなければならない事態になることも想定して、私は職場から近い工房にいることにしました。今日から冬の休庁期間のように毎日制作が可能です。これは大変有難いことで、毎年個展に間に合わせようと綱渡り状態で作品を作っているので、この焦りが少しでも解消できれば幸いです。まず、閉庁期間の制作目標を立てることにしました。新作は、柱材と板材でテーブル状の構築物を6体作る予定ですが、使用する木材がまだ準備できていません。今のところ背の低い4体のテーブルを作ることが可能なので、これは閉庁期間で実行しようと思います。併せて陶彫部品も作っていきます。工房内の温度が高く、タタラはすぐ乾燥するため即時成形することが出来ます。それならば時間を空けずにどんどん作っていこうと決めました。5日間で成形加飾5点、ただし途中で土練機を回さねばならず、また暑さ対策もあるので、5点作るのはやや厳しいかなぁと思っています。これはあくまでも制作目標です。今日も朝9時から午後3時まで制作をしていました。高校生の若すぎるスタッフが来ていて、昼食はエアコンの効いたファミリーレストランに行きました。涼を求めて休憩を取った時間を除くと一日5時間くらいの作業がちょうどいいかなぁと思いました。汗でシャツが搾れるようでしたが、工房には小さな冷蔵庫があって、水を冷やしておけるのが唯一の救いです。水分をどんどん摂取した分、汗が噴出す、こんな状況を若い頃は何でもないと思っていましたが、今は夜になると身体が疲れて仕方がないのです。それでも閉庁期間はこのペースでやっていきます。
2016.08.07 Sunday
工房には空調はなく大型扇風機で暑さを凌いでいます。窓を開け放していても蒸し暑さは変わらず、どうしたらこの中で作業を進められるのか、その日の体調を考えながら、無理せずにやっていこうと思っています。温度に対する慣れも多少あるかもしれません。自分は汗っかきでバンダナやシャツがあっという間にびっしょりになりますが、それでも汗をかいた方が身体が動くような気がしています。本来自分は暑さが苦手です。ただ、管理職になる前は、まとまった時間が夏の時期しか取れなかったので、夏に創作活動を強行したのでした。真夏に汗を流しながら創作に勤しむことが自分の中で定着し、夏=創作活動というイメージになって、この季節が結構好きになりました。汗を滴らせながら土練りをしたり成形をしたりして数十年を過ごしてきたので、この習慣が楽しくなったとさえ思っていました。でも、この年齢になって作業後の疲労度が変わってきたように思っています。工房から自宅に帰ってくると、ソファに倒れたまま身体は動きません。管理職になってからの8年間は、夏と言えども週末しか休みが取れなかったので、週末の疲労はウィークディで回復しました。管理職と彫刻家では使う神経が異なるのです。今夏は全職員に対して自分が決定を下して閉庁期間を設けました。これは昔に逆行して、まとまった時間に創作活動を充てられることになったのです。嬉しいことですが、果たして毎日工房で暑さと向き合うことができるのか、何か手を打ちたいと思っているところです。明日から閉庁期間が始まります。創作上の目標を立てること、暑さ対策を考えること、ここで制作工程を少しでも先に進めるために、身体と相談しながら数日間を過ごしたいと思います。
2016.08.06 Saturday
昨日から箱根の湯本で横浜市公務員管理職による宿泊研修をやっていました。自分がまだ管理職ではなかった頃、この研修は凡そ公費による慰安旅行だろうと誤解していました。実際自分がこの立場になってみると、全て自己負担で140人以上の管理職が真剣に課題解決研修をやっていることがわかりました。もちろん管理職仲間の親睦を深める機会もあります。私たちはそれぞれの職場に戻れば、孤独な立場です。こんな研修も必要だろうと思います。宿泊研修から帰ってから、自分はすぐに創作活動に取り組みました。今日は新作に必要な木材の買出しに出かけました。長さ2メートル50センチの柱材を8本を購入してきました。材料の買出しはまだまだ続きますが、制作行程に応じて調達しようと思っています。新作には木材を多用します。イメージ通りの構築物が作れるかどうか、新作はまず木材による立体を作るところから始めます。陶彫は木材の組み立てと併行して進めます。工房内の蒸し暑さは凄いものがあって、長時間の作業は出来ません。明日は時間を上手に使って作業をやっていきたいと思います。