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  • 週末 「環景」の制作続行
    明日は「発掘~表層~」と陶紋の写真撮影の日ですが、準備が完了しているので、今日は「発掘~環景~」の制作に邁進しました。土錬機を回して複数の陶土を混ぜ合わせ、その陶土で大き目のタタラを数点用意し、翌日まで待ってそのタタラで成形を始め、部分を紐作りで補う、そこに彫り込み加飾を施し乾燥させる、そんな制作サイクルがあります。「発掘~環景~」は今までになく順調にサイクルが動いています。それでも今月末までに完成するかどうかわからないので焦っています。陶彫は乾燥させる時間と窯入れをして焼成する時間があります。そこがひたすら作って仕上げていく木彫と違うところで、昨年と違うところはこの木彫部分がないところです。陶彫を乾燥させている間に、それと併行して木彫をぐんぐん仕上げていくことが今年は出来ません。公務員との二束の草鞋生活を送っている私にとって、焼成や乾燥といった待ちの時間は歓迎するところですが、今回に限っては待ちが長く感じるのです。週末の時間はあっという間に過ぎていきます。あとはウィークディの夜に工房に来て制作を続行するしかありません。本来なら定年退職をして彫刻一本に絞って制作を進めているはずだったのですが、計算どおりにいかないのが人生なのかもしれません。今日も丸一日休むことなく制作に明け暮れました。明日も撮影の後に制作続行の予定です。
    「発掘~環景~」大地の窪みを表現
    夢は幼児体験からくる欲望充足であるというのが精神分析学者フロイトによる夢の解釈です。覚醒時にも同じような現象に囚われるのが神経症であるならば、造形イメージの源泉もそこからやってくるのではないかと自分は思っているところがあります。幼い頃、自分が育った横浜には戦後の傷跡が多く残っていました。そのひとつが防空壕です。子どもたちは防空壕を棲家にして遊んでいました。関東ローム層の赤壁にぽっかり開いた穴。その暗い陰湿な空間が、時折自分の夢に出てくるのは幼い頃の体験によるものだというフロイトの論拠に従うところですが、20代の頃に旅したエーゲ海沿岸の遺跡にも、大地に擂り鉢状の穴を開けている円形劇場があり、その陽射しの中の明るく乾いた空間も、自分の夢に登場してきます。後者は寧ろ、昼間の活動時にもぼんやり現れてきて、現在作っている彫刻作品に次なるイメージを齎せてくれます。私がイメージする大地の窪みは、例え小さな防空壕だろうが、巨大な円形劇場だろうが、いずれも人が作ったもので自然の成せる業ではありません。つまり、昔の人が作った構築物が自分の作品の下地になっていると考えていて、大自然の中に人間が生きた証として存在を示しているものの自分流の解釈と言えるのかもしれません。今回、大地の窪みを表現することにした新作で、時間を要したのは題名でした。「環景」は造語です。自分にとって作品の題名とは、その作品のカタチを簡潔に言い表すものではなくてはならないと考えているため、イメージの源泉を何度も辿ることになったのです。心的要因案としては記憶起因による欲望充足、具体案としては円形劇場でしたが、どちらもあまりに直接的でしっくりいかず、「環景」という造語に落ち着いた次第です。「発掘~環景~」は今までになく平たい造形です。鑑賞者は上から見渡すことになります。私には新しい視点で作る彫刻作品と言えそうです。
    GW 三連休最終日
    ゴールデンウィーク後半三連休の最終日になりました。今日は子どもの日で、工房にあるFMラジオから子どもを対象にした話題やイベントが流れていました。三連休は天候に恵まれて夏日を思わせるほど気温が上昇しました。最終日である今日は撮影が迫る作品をチェックしていました。「発掘~表層~」は側面の塗装に塗り漏れがないかどうか確認をおこないました。結果「発掘~表層~」と陶紋5点は完成と見なしました。撮影の準備は万端です。6月に撮影する擂り鉢状の作品は、今日の残りの時間をかけて、成形と彫り込み加飾を行いました。既に乾燥をしている作品は窯に入れました。ともかく今日も朝から気力の続く限り精一杯制作を進めました。前半三連休も後半三連休も、さらに制作に邁進できたかもしれない反省もありますが、身体を壊さない程度に頑張ったつもりです。気の焦りをクールダウンするために鑑賞も入れました。東京都美術館開催の「若冲展」、横浜美術館開催の「複製技術と美術家たち」展、TOHOシネマズで上映している「Spotlight」(スポットライト)を観て来ました。なかなか充実したゴールデンウィークだったと思っていますが、擂り鉢状の新作に頭を戻すと、決して満足できない連休だったと思っているのです。夜になって家内と買い物に出ました。明日職場で夜間会議があり、汁物を作って参加者にサービスしようと思っているのです。もう何回もやっている大鍋コミュニケーションで、議題を進める上で有効なのです。明日は仕事で、明後日から週末になって、再び新作と向き合う時間があります。予断を許さない状況はまだまだ続きます。
    GW 制作三昧の一日
    ゴールデンウィークの数日のうち、どのくらい制作を進められるのか、頭を離れることはありません。この時期に休暇を楽しむことは、かなり前からありませんが、今年は本当に焦っていて朝から工房に篭っています。今日は陶紋5点を窯から出し、仕上がりを確認しました。「発掘~表層~」の側面に塗料を塗りました。明日は反対側を塗ります。これで8日の撮影に間に合います。ひとまずホッとしましたが、擂り鉢状の新作が気になっていて仕方ありません。今月は窯入れもしていきますが、その隙間を縫って夜間制作もやっていきます。今日は若すぎるスタッフが久しぶりに工房にやってきました。若すぎるというのは、彼女はまだ10代で美大の付属高校に通っているのです。アートをやるのか、デザインをやるのか進路は決まっていませんが、美術に関わっていくことだけは確かなようです。彼女は高校の課題をやりにきているのですが、自己表現がまだ定まらない年齢なので、基礎学習に勤しんでいる最中です。高校3年生と言えば、自分は美術の道に進むかどうか迷っている時期でもありました。美術系の学校に入り、20歳になった頃、彫刻の面白さに取り憑かれてしまったことを思い出します。あれから40年を経て、現在まだ彫刻を作り続けています。これは幸福で幸運なことだと思っていますが、彫刻で生活を立てられたことは一度もなく、公務員との二束の草鞋を履き、何とか彫刻を継続しているという有様です。東京銀座のギャラリーせいほうで今夏11回目の個展を企画していただいているのも幸運なことと思っています。それ故に毎年焦っている状況が続いているわけです。職場でも工房でも多忙に紛れて、自分を失いがちになります。自分にとってクールダウンは鑑賞です。制作に明け暮れていても、美術館や映画館に足を運びたいと考えているところです。
    GW 後半の三連休
    今日からゴールデンウィーク後半の三連休が始まりました。「発掘~表層~」の台座の色彩調整はだいぶ納得できるような色調になってきました。このくらいで終わりにしようかなぁと今日決意しました。後は油絵の具を乾かし、明日から側面に黒い塗料を塗っていこうと思っています。作品に貼り付ける印も彫り上がりました。今月の8日に撮影する作品は順調に仕上がってきていますが、問題は来月撮影する作品が出来上がるのかどうか、きわどいところです。そこで今日は来月撮影予定の擂り鉢状の作品を先へ進めるべくタタラを5点用意しました。自分の作り置きの陶土が足りなくなってきたので、土練機を回しました。後半の三連休は擂り鉢状の作品をどこまで進められるのかにかかっています。多少無理をしても成形と彫り込み加飾をやっていきたいと思います。ちょっと気になっているのは、栃木県益子から取り寄せている2種類の陶土が減ってきていて追加注文しなければならないかなぁと思っているところです。今日は午後2時に作業を終えて、家内と映画に行くことにしていました。そのため今日の制作目標に達するべく朝から頑張っていました。三連休なので鑑賞も取り入れていこうと思っていたのでした。映画は常連にしているミニシアターではなく、ロードショーを複数上映する大手の映画館に足を運びました。定番のコーラとポップコーンを購入して館内に入りました。選んだ映画はアカデミー賞を獲得した「Spotlight」(スポットライト)。地味で地道な物語と聞いていましたが、観客をどんどん惹き込んでいく取材攻勢が決め手の濃密な展開に暫し我を忘れました。キリスト教神父による組織的児童虐待を告発したスクープを通して、ジャーナリズムはどうあるべきかを問う刺激的な映画でした。詳細な感想は次回にします。明日は制作三昧でいきます。