2014.12.04 Thursday
日記として美術館を巡ったことをその日に記録していますが、それぞれの展覧会の詳しい感想は後日改めるようにしています。このところ多くの展覧会を見てきて感想が溜まっています。感想を後日にする意図は、名作の数々を自分なりに解釈して、その代表作を脳裏に刻むために行っているのです。「日本国宝展」は先々週の金曜日の夜に出かけた展覧会です。財善童子立像を一度NOTE(ブログ)にアップしていますが、今回は絵巻を取上げます。会場では地獄で受ける壮絶な苦しみを描いた2点の「地獄草紙」に眼が奪われました。2点はそれぞれ奈良と東京の国立博物館が所蔵しているもので、いずれも亡者や獄卒が動きを伴って描かれる情景に毒々しい色彩、当時は凄まじい迫力を感じたものと思われます。現在は色彩も薄れ、支持体の痛みも激しい箇所が見受けられますが、それでも苦しみ喘ぐ群衆に眼が留まります。自分は動勢のある作品が好きで、様式や形式を重んじる作品よりも面白みを感じます。作者の筆致が活き活きとしていると、内容はともあれ時代の情景をイメージしつつ、心より楽しめるのです。図録によると天道、人道、修羅道、畜生道、餓鬼道と並ぶ六道のひとつが地獄道で、六道の中でも最も苦しみの多いところとされており、多くの経典がその凄惨な様相を描いているとあります。壮絶故に印象に残る絵巻で、常軌を逸しているところに魅力があると思いました
2014.12.03 Wednesday
「『詩とことば』という本の中で彼(荒川洋治)は『はずかしさ』について語っています。話はまず人が歌をうたうことを『はずかしい』と思わないことの不思議さから始まります。~略~曲があると、この恥ずかしさは減る。曲のせいにできるからです。制度のせいにすればいい。自分が過激なのではない。曲があるから仕方なくそうしているにすぎないのである。では、詩の場合はどうか。詩には曲がつかない。~略~歌だって恥ずかしいのに、曲がない詩はもっと恥ずかしい。何しろ『いつものその人とちがう。日常をはずれている。反俗的なものである。もっといえば過激である』のです。」現在読んでいる「詩的思考のめざめ」(阿部公彦著 東京大学出版会)にこんな一文がありました。まさにその通り、詩は恥ずかしいのです。それを高校時代から自分はずっと思っていました。でも自分は詩が好きで、無骨な男子が表立って詩を読んでいるという妙な世間体もあって、人に隠れて密かに詩を読んできました。だから詩を書くなんてことは羞恥の極みみたいなものです。でも詩が書きたい、書けるようになるといいなぁと憧れています。ホームページに造形作品を掲載するようになって、その端の方にコトバを添えています。詩と言わないのは恥ずかしさ故ですが、まさにそんな自分の心情を本書は言い当てていると思っています。
2014.12.02 Tuesday
ホームページに2012年の3月分のRECORDをアップしました。先日カメラマンが来て2014年10月分までのRECORDの撮影をしていきました。アップが遅れている理由は、RECORDに付随する自分のコトバのせいです。RECORDは月ごとのテーマを決めているので、題目が設定されているコトバを捻り出さなければならず、その風情を纏った情景をイメージすることから始めています。これは造形美術と同じで、エスキースの段階で何度も描き変えて構図を決定していく過程に似ています。サクッと書かれたコトバひとつが心を捉えてしまう詩も、同じように詩人の試行錯誤から生まれているのでしょうか。RECORDは一日1点の制作を自分に課していますが、コトバ同様に悩むところです。もう少し肩の凝らない表現でいこうかとも思いますが、全力投球が板についてしまっているので、性分として軽く扱えないのです。瀟洒なイラスト風な作品も試みましたが、今ひとつしっくりせず、生真面目な画風を貫いていくしかありません。私のホームページには左上にある本サイトをクリックすれば入れます。RECORD3月分をご高覧いただければ幸いです。
2014.12.01 Monday
2014年も12月を迎えました。12月は師走と呼ばれ、師が走るほど多忙を極める1ヶ月です。自分は週末の制作や鑑賞で体調を崩しがちになったり、また持ち堪えたりの繰り返しです。二足の草鞋生活の慌ただしさを抱えながら、この時期は例年辛い状況に追い込まれています。でも弱音を上げるわけにはいかず、意欲だけで乗り越えようと思っています。休日が多いのが作品制作には好都合で、この時期に制作を進めておかないと、来年夏の発表に間に合わなくなります。とくに年末年始の休庁期間は有り難く、ここでどのくらい作品を進めていけるかがポイントです。具体的に言うと「発掘~群塔~」の屏風部分の陶彫部品を全て作ること、これは苦しい目標ですが、そのくらいの気構えでいかなければなりません。さらに新作1点を考えています。これは「発掘~群塔~」のもうひとつの展開で作る作品です。さらに小品の「陶紋」数点。ただし、新作の追加1点と「陶紋」数点は後回しにして、12月は「発掘~群塔~」の屏風部分の陶彫部品に力を注ぎたいと考えます。今後の制作量を思うと目が眩みそうですが、頑張っていきたいと思います。
2014.11.30 Sunday
11月最後の週末です。今日は朝から工房に篭りました。なかなか制作工程通りにはいきませんが、何とか新作「発掘~群塔~」の陶彫部品制作に食らいついています。このところ週末ごとのプログラムが過激になって些か疲れ気味ですが、創作へ向かう意欲は一向に衰えないところが良いと自画自賛しています。ただし、気持ちに身体がついていかないといった按配です。今日は彫り込み加飾を3点行いました。成形に比べると手間がかかるので進みは悪くなりますが、加飾された作品は最終のカタチになるので、楽しい工程でもあるのです。今日は10時過ぎにカメラマン2人が工房にやってきました。貸し出した作品の野外撮影した画像を見せてもらいました。自分が凡そ考えなかった作品の視点、発想のユニークさに驚きました。これぞ他者との協働が生む成果なのです。まさにデジタルな世界は自分一人だけの世界ではありません。別の才能が別の角度から捉える造形、これこそ自分が願う世界です。カメラマンは今日RECORDの撮影を行っていきました。RECORDは毎日1点ずつ制作している小さな平面作品ですが、先月までの作品を1点ずつ撮影していました。塵も積もれば山となるようで、連続して3時間の撮影でした。自分は夕方4時ごろまで制作をしていましたが、いよいよ疲労が出て今日の作業は終了しました。11月はまずまず充実していたかなぁと振り返っています。予定している制作工程には追いつけていないのですが…。