2014.11.19 Wednesday
現在読んでいる「存在と時間 Ⅲ 」(マルティン・ハイデガー著 原佑・渡邊二郎訳 中央公論新社)に時間性と空間性に関する記述があります。「たとえ『時間性』という表現が、『空間と時間』と言うときに時間として了解されているものを意味するのでないとしても、しかし空間性もまた、時間性と同様に、それ相応の現存在の根本規定性をなしているように思われる。~略~われわれが現存在と名づけるこの存在者は、並列的に、『時間的』であると『ともにまた』空間的であるとみなされざるをえないように思われる。~略~本質上頽落しつつ時間性は、現成化することのうちへと自己喪失しており、配慮的に気遣われた道具的存在者にもとづいて配視的に、おのれを了解するばかりではない。それどころか、そうした時間性は、現成化することがそうした道具的存在者のもとで現存しつつあるものとして不断に突きあたる当のものから、つまり、空間的な諸関係から、了解において一般に了解されまた解釈されうるものを分節するための諸手引きを引き出すことまでも行うのである。」長い引用になりましたが、時間性と空間性の関係を論じている箇所を選びました。現存在にとっては時間性と空間性は対峙するものではなく根本規定としては並列する要素だと述べられています。抽出した論理だけではなかなかニュアンスは伝わりませんが、両者は分け隔てることではないという考察がありました。
2014.11.18 Tuesday
仕事から帰って自宅で休みたい気持ちを抑えて、夜の工房に出かけていくのはちょっと辛いものがありますが、工房に入ってしまうと不思議な空気感に取り囲まれて、制作に没頭できることがあります。2時間程度の制作ですが、結構満足感が得られます。毎晩工房に出かけるのは体力的に無理ですが、多少でも余裕のある晩は制作に励んでいます。昨晩と今晩は工房に行きました。蛍光灯の下で陶土に触れていると気持ちが引き締まってきます。秋の肌寒さが孤独を演出して、ここで作業をしなければ情緒が不安定になるところですが、ビニールで覆ってある陶土を取り出し、制作に向かうと気分は一新して、憂いを含んだ気分は吹き飛んでしまいます。彫刻は絵画と違い、甘美なノスタルジックな世界を描くより、寧ろ寒々とした空間の中に凛と立つ作品の存在が清々しく感じられます。しかも全身の筋肉を使う作業になると、これはスポーツのようでいて、精神性を高めていく過程があったりして、なかなか手応えのある表現媒体だなぁと感じます。時々夜の工房に出かけて、張り詰めた空間で作業をするのもいいなぁと思っています。
2014.11.17 Monday
週末は若い大学院生に助けられていることもあるのでしょうが、創作に向かう意欲が湧き出てきています。新作の全体構想が把握できるこの時期は、例年意欲的になっています。こんな気分になれる喜びに感謝です。毎年夏に東京銀座のギャラリーせいほうで個展を企画していただいているので、そこに向かって弛まぬ努力をしていて、休まず焦らずコツコツと制作を続けることが習慣になっています。この習慣の中で緩急があったり、休憩を取ったりしていることが、全体的に見れば生きる充実に繋がっていると思っています。健康面では、この年齢になれば抱えている病気もありますが、一病息災で作業に影響を及ぼすことも現在はなく、意欲を持続できる状態にあります。今回の新作も陶彫部品の数が多く、今年以上の作品になることがわかってきました。毎年ハードルを上げているので、こればかりは仕方のないことです。まだ追い立てられても大丈夫だろうという無意識な判断があるのでしょう。二足の草鞋生活が終わるまで残すところ2年を切りました。この創作へ向かう現時点での意欲は、定年後の次のステージに上がるための準備とも言えるのではないかと思うところです。
2014.11.16 Sunday
朝から工房に篭って制作三昧でした。今日は大学院生2人も来て、それぞれ制作に没頭しました。私を含めて3人が、6時間中ずっと集中力を途切れさせず制作ができたことが今日の収穫だったと思っています。朝9時過ぎから午後4時まで、昼食に少々休憩を取りましたが、それ以外は黙々と作業を続けました。一人の子は大きなパネルに細密な文様を描き、もう一人の子は布に染めを施し、私は土練りと彫り込み加飾をやっていました。最近はこのメンバーが工房の常連になっています。しかも集中力が半端ではありません。社会的促進が図られて、良好な関係が続いています。私も彼女たちに助けられて、自身に鞭を打ち、粘り強く制作に取り組めています。制作に没頭すると周囲が見えなくなり、素材との対話が始まります。まさに今日はそんな至福な時間がやってきました。6時間はあっという間に過ぎていきました。気分転換をすれば、もう少し制作は出来るかもしれないと思いましたが、今日はここで終了しました。出来るならウィークディの夜に制作したいのですが、最近夜が冷え込んできているので、無理はしないようにしたいと思います。
2014.11.15 Saturday
「発掘~群塔~」の屏風部分の全体構成を考える時がやってきました。今まで3点の屏風作品を作っていますが、いずれも六曲一隻です。つまり6点の板材を折り曲げて組み合わせているのですが、今回の作品は定型にはならず、7点で屏風を構成していきます。先日板材を購入してきました。成形と加飾が終わっている十数点の陶彫部品を配置した構成を考えつつ、全体としての構成を練っていきたいと思います。今回の作品は屏風だけではなく床にもステージを作ります。とりあえず屏風に接着する陶彫部品がどのくらい必要かを算出しなければなりません。予定しているのは接着する小さな塔は30体と考えていますが、それらを屏風全体に配置するとなれば、どんな感じになるのか、小さな塔の集合と拡散を考慮しつつ、全体を網羅していきたいと思います。今まで成形が終わっているものは全て床置きになるので、屏風はこれから作ることになります。屏風と床を繋ぐ陶彫部品も必要です。そんなことを考えているうち時間があっという間に過ぎてしまい、今日のところは陶彫部品が進みませんでした。陶彫部品制作は明日に持ち越しです。工房周辺は紅葉が美しくなり、創作活動にはとてもいい季節を迎えています。