Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

note

  • Tag cloud

  • Archives

  • 12’RECORD2月分アップ
    2年前に制作したRECORDの2月分をホームページにアップしました。RECORD(記録)は毎日1点ずつ作っているポストカード大の平面作品です。公務員として働いている自分が創作活動に打ち込めるのは週末のみで、そこは全て陶彫制作に費やされてしまいます。RECORDをやっているメリットは毎日創作活動に関われる喜びがあるためで、陶彫制作に向かうイメージトレーニングとしても有効と思っています。反面、RECORDは平面作品であるため、陶彫の下図ではなく完全に平面世界として扱う場合があります。寧ろその方が多いのですが、絵画的要素を取り込んだ小作品は、時に自分に楽しさを与えてくれるのです。ホームページには2007年から2012年まで62ヶ月分のRECORDをアップしています。左上にある本サイトをクリックしていただければ私のホームページに入れます。ご高覧いただければ幸いです。
    ジャコメッティの陽炎
    先日行った国立新美術館で開催中の「チューリヒ美術館展」は、最後の一室にA・ジャコメッティを割り当てていました。スイス生まれでパリで活躍した彫刻家は、その細長くなった不思議な人体表現で、一躍有名になりました。日本人哲学者の矢内原伊作をモデルにしたことで、日本でも知られる彫刻家の一人です。自分は作品と著作の両面からジャコメッティの世界観を捉えています。一口で言えば形態を徹底して追求した人、これがジャコメッティです。「チューリヒ美術館展」ではまとまった作品が来日していて、作家が塑造と格闘した作品群が異様な空気感を放っていました。ジャコメッティの部屋に入ると、私には彫刻が陽炎のように見えました。存在はあっても存在感のない揺れる蜃気楼、人体が数体飄々と立っている作品は、まさに夏の日の陽炎に似て不思議な情緒を醸し出していました。永遠に完成されない塑造、視ることへの追求を止めない姿勢、その途中段階で産み落とされる名作の数々、ジャコメッティの陽炎にも見える作品には秘めたる熱情があると感じています。
    ココシュカを巡って…
    国立新美術館で開催中の「チューリヒ美術館展」でオスカー・ココシュカの油彩画を見て、自分は若かりし頃に過ごしたウィーン時代を思い出しました。当時ココシュカは自分にとって馴染みの薄い画家であるばかりか、クリムトやシーレのように訴えかける要素が少ない画家と思っていました。それが突如として激しく自分の心情に迫ってきて、忽ちココシュカの世界に巻き込まれてしまったのでした。ウィーンの国立ギャラリーを訪ねた時の出来事で、それは知識でも思索でもなく突然やってきた嵐のような感覚でした。荒いタッチが幾重にも重なった表現、そこから何か得体の知れないモノを追求するような、また何かを抉り出すような動勢を自分は感じ取りました。その場で立ち尽くし、どのくらい時が経ったのか記憶にないくらいです。自分にとって新しい芸術表現の理解とは、こんなところから始まるのかなぁと思っています。それは時代の先端を行く表現ではなく、あくまでも自分にとって新しい価値を持つ表現のことです。時代的には過去の表現であっても、自分にとって漸く理解できた表現がココシュカだったわけです。「チューリヒ美術館展」でココシュカに出会った時は懐かしさを覚えました。ココシュカという日本では知られていない巨匠を巡って昔の自分の心が甦ってきたのです。
    楽しみにしているTV番組
    毎週楽しみにしているTV番組があります。TOKYO MXで日曜の夜に放映している「小室等の新音楽夜話」とBS TBSで月曜の夜に放映している「吉田類の酒場放浪記」です。自分の学生時代は和製フォークソングが流行りました。それはTVではなく主にラジオの深夜放送で流れていました。反戦や社会情勢を盛り込んだ唄があり、なかには放送禁止になった唄もありました。ギターを爪弾きながら囁いたり叫んだり、決して上手い唄ではなかったのも、あの頃の自分のお気に入りでした。ドーナツ盤のレコードを求め、嗄れた声で聞こえてくる唄に毎晩酔いしれていました。当時聴いていた唄を今も歌っている歌手が登場するのが「音楽夜話」です。懐かしいというより、ホッと安心できる番組なのです。「酒場放浪記」も場末の酒場で酒を酌み交わしながら会話するだけの番組ですが、何故か快くなってきます。忘れられつつある人情が感じられるのかもしれません。もちろん芸術分野の知識を深める番組も必ず見ていますが、肩肘張らない脱力感のある番組は、一日の終わりに見る番組としてはいいもんだなぁと思っています。
    六本木の「チューリヒ美術館展」
    東京六本木の国立新美術館で「チューリヒ美術館展」が開催されています。展示内容に自分は興味関心を寄せていて、多少無理をしても行きたいと考えていました。最近の美術館は金曜日は遅くまで開館していて、仕事帰りに立ち寄ることが可能なので大変嬉しく思っています。「チューリヒ美術館展」には先週金曜日の夜に行ってきました。夜7時を過ぎても鑑賞者が多く、人気の高さを窺い知ることができました。それもそのはず来日していた作品は名作ばかりで、印象派はもとより表現主義、シュルレアリスム、抽象主義等の充実したコレクションを堪能しました。スイス出身の芸術家にはそれぞれ1室が用意されていました。ホドラー、クレー、ジャコメッティは大好きな芸術家ばかりなので、自分の興奮が頂点に達してしまいました。それ以外にもモネの「睡蓮の池 夕暮れ」の大作や日本であまり知られていないココシュカの油彩画が多数ありました。個人的にはこれも日本で知られていないバルラハの木彫作品に会えて幸せでした。個々の作品の感想は後日にしたいと思います。