Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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  • サンティアゴ巡礼路からのメッセージ
    彫刻家池田宗弘先生は自分の大学時代の恩師です。先生は30年前にスペインに滞在され、サンティアゴ巡礼路を歩かれました。ちょうど自分がウィーンに滞在中の頃で、自己表現を求めていたものの確固たる指標も持てず、街を彷徨いていた自分に比べると、池田先生はロマネスク彫刻の研究として、サンティアゴ巡礼路に点在する教会の彫刻を丹念にスケッチされて、まとまったカタチで文化庁やスペイン政府に提示されていました。現在、東京六本木にあるスペイン大使館で「サンティアゴ巡礼路からのメッセージ」という副題のついた池田先生の作品展が開催されています。日本スペイン交流400周年記念事業の一環として展覧会が実現したようです。真鍮直付けの独特な風景彫刻や夥しい数に上るスケッチや木版画が展示されていました。自分はキリスト教をテーマにした木版画の様式化された美しさに改めて感銘を受けました。
    「R・シュタイナー展 天使の国」
    先日、東京外苑にあるワタリウム美術館で開催されている「R・シュタイナー展 天使の国」に行ってきました。神秘思想家とも呼ばれているルドルフ・シュタイナーはあらゆる分野に思想を広げ、その思想体系を人智学協会を設立することによって保存継承しています。展覧会はシュタイナーが書いた黒板絵が中心で、自らの思想を黒板にチョークで図示したモノが多く出品されていました。ドイツの造形作家ヨーゼフ・ボイスにも黒板絵があって、ボイスのそれと比較しながら展示を見て回りました。黒板絵にはそれぞれ解説があって、そのメモがあるからこそ理解が可能になりました。シュタイナーの世界でとりわけ私が興味関心があるのは、ゲーテアヌムと呼ばれている建築や室内装飾です。曲面を持つ木彫の柱やファサード、ステンドグラスを初めとする室内装飾の数々が自分には心地よく感じられます。彫刻的な建造物と言ったらよいのか、カタチの象徴化に惹かれます。講義や演劇等パフォーマンスを行うのに相応しい場所として設計されたようですが、素材や空間の面で贅沢な建造物だなぁと思いました。
    6月RECORD「地層に溜まる雨水」
    今月のRECORDのテーマを「地層に溜まる雨水」にしました。現在も鬱陶しい天気が続いております。梅雨の時季は何かと意欲が低下しますが、雨水が土に染み込む状況を捉えて造形化することで、創作意欲を高めたいと思います。自宅や工房周辺は亡父の残してくれた植木畑があって、雨水がそのまま土壌に染み込み、雑草や虫などの生命が息吹きます。まさに梅雨は天の恵みであると言えます。橫浜では都市化が進み、コンクリートに覆われた街路では、雨水は下水溝に流れていくだけですが、私の生活する場所では僅かばかりの雑木林が点在し、雨水が動植物繁殖の一助を担っている様子が伺えます。都市の中にある僅かな生態系循環に注目して、今月のRECORDを作っていこうと思います。
    石と空間の関係考察
    「加工しないままの一個の石を自然から借用し、展示場に運ぶことから始める。(これは、東洋人の庭の石とか、擬人化した石のオブジェとは全然コンテクストの違うものであり、無関係である。)石を鉄板とか空間と関わらせるなど、一定の手続きや設定を通して、外界との対話を試みるのである。透明なものと不透明なもの、作ることと作らざることを関係づけることが、私の仕事なのだ。~略~」という文章が「余白の芸術」(李禹煥著 みすず書房)にありました。自分の亡父が石庭を作った思い出を先日NOTE(ブログ)にアップしましたが、作庭と李禹煥ワールドには大きな隔たりがあることが判明して、今回表題のような内容を考えることにしました。「枯山水」(重森三鈴著 中央公論新社)にも亡父の作庭の歴史的根拠があって、石と石が響き合う空間が表されていましたが、李禹煥の彫刻は石庭という概念から離れたもので、素材に対する認識と同時に空間の認識も異なるようです。素材をモノとして扱い、空間の関係づけを行う彫刻は、素材を空間形成の一部として扱い、一幅の絵画のように見せる石庭とは、似て非なるものと言わざるをえません。当然余白の概念も変わってくるものと理解しました。
    週末 梱包を始める
    今日は朝から夕方まで工房にいました。「発掘~層塔~」の厚板材の梱包を始めました。厚板材は15のブロックに分かれています。ブロックごとに分解してエアキャップをつけたビニールで覆いました。厚板材の梱包は今日のうちに終わりましたが、陶彫部品の梱包はこれからになります。ベニア板で箱を作って、ひとつずつエアキャップで覆って箱に入れます。今回は数が多いので手間も時間もかかりますが、7月の個展だけではなく作品を保存する目的があるので、これはしっかりやっておきたいと思っています。梱包だけでは意気が上がらないので、新作も同時に進めていきます。まず陶彫部品1点目の原型制作をやりました。一日のうち梱包だけではなく、新作に取り掛かると心が充実します。こうした取り組みを、これから週末ごとに進めていくことになります。気がかりなのは今回の個展が終わったときの梱包された箱の置き場です。工房の倉庫部分は作品と雑多なもので溢れています。捨てるものは捨てて、大幅に整理しておかないと置き場がなくなってしまいます。整理も併行してやらないといけないと思ってます。