2014.05.23 Friday
4月から職場が変わり、年間予定では今日から2泊3日の出張があります。出張前にこのNOTE(ブログ)を書いています。行き先は関西で往復新幹線を使います。留まる都市は大阪、京都、奈良の予定です。京都で多少自由になる時間がありそうなので、橫浜でお世話になっている地域関係者の土産でも選びながら、散策をしようかとも思っています。京都は久しぶりに訪れます。版画家の旧友が住んでいますが、時間的に会うのは難しいかなぁと思います。京都・奈良は美術的な面では刺激をもらえる街です。名所、旧跡の多さもさることながら、それを取り巻いている空気感がいいのです。時間があれば枯山水の庭園巡りや寺院の天井に描かれた龍の図を見比べることもしたいと思いますが、仕事があるのでそれは個人旅行で来る時の楽しみにしようと思います。晴れることを祈って出発します。
2014.05.22 Thursday
明日から関西に2泊3日の出張があって、新幹線やホテルで読書をするための文庫本を携帯しようと思っています。「言語都市・ベルリン」(和田博文・真銅正宏・西村将洋・宮内淳子・和田佳子共著 藤原書店)や「鞄に入れた本の話」(酒井忠康著 みすず書房)を読んでいる最中ですが、あえて軽量な文庫本「変身」(カフカ著 高橋義孝訳 新潮社)を持参することに決めました。昨日のNOTE(ブログ)に書いたように、「変身」の再読にあたっては特別な思いがあるのです。10代初めの頃、読んでいる途中で理解に苦しんだ本書を、50代後半の年齢に差し掛かる今になって読み返す意義は十分あると思っています。中学生がカフカのいた時代背景や表現主義を理解するには、あまりにも未熟で尚早であったと思い返しています。あるいはその時、表現主義に特別な思いを抱く20代後半への萌芽があったのかもしれません。ひょっとして自宅の屋根裏収納庫に当時の文庫本があるかもしれませんが、「変身」は新たに購入しました。友達と競って読んでいた創元推理文庫は当時のまま大量に保管してありました。40年以上の歳月で自分はどんな蘊蓄を授かったのか、読書を通じて振り返ってみようと思います。
2014.05.21 Wednesday
自分は常に読みかけの書物を携帯しています。公務員になってから通勤の車中に読書時間が限られていますが、それでも永年勤続の間に読書を通じて、さまざまな世界に接することが出来ています。その契機となった時のことを今でも覚えています。それは40数年前の中学生時代に遡ります。それまで私は児童向けの書物に何気なく親しんでいましたが、書店で「変身」という題名のある文庫本を手にしました。カフカという作家名にも不思議なものを感じました。その1行目に、朝目覚めると突如として虫になった男のことがあってギョっとしました。買って読んでみると、これが中学生にとっては難解極まりなく四苦八苦しながら、後載の解説を頼りに3分の1程度の理解をもって読破しました。折しも中学校で課せられた読書感想文に「変身」の感想をまとめました。担任教諭がこれは兄姉が読んだものを本人が感想文にしたものだろうと言っていたことを後で知らされ、心中穏やかでなくなりました。抗議こそしなかったものの、その悔しさがバネになって爆発的な読書習慣が始まりました。志を同じくする親友が出来て、競うように海外の推理小説を読み漁りました。創元推理文庫全巻読破が親友と交わしたマニュフェストになりました。高校で純文学、評論、随筆、詩歌と幅を広げ、おまけに自分は偏った趣向になって現在に至っている、そんなことを今日は思い出しました。
2014.05.20 Tuesday
先日まで東京国立博物館で開催していた「キトラ古墳壁画」展で、とくに注目した「白虎」の姿態が頭から離れられなくなっています。虎は大陸からの情報を基に、飛鳥時代の絵師が描いたものと思われます。この虎は想像上の動物の要素が強く、我々が普段眼にする虎とは異なります。デフォルムされ、理想化された動物には独特な美意識が働いて、描線が生き生きとしています。そのイメージに基づいて、自分も幻の虎を描いてみたい衝動に駆られました。今月のRECORDは「戯れあう幻獣たち」というテーマでやっているので、まさに「キトラ古墳壁画」を利用したいと考えました。「白虎」を自分なりに動かし対峙させて描くことに挑戦します。
2014.05.19 Monday
東京上野の国立博物館で開催されていた「キトラ古墳壁画」展は昨日で終わってしまいましたが、滑り込みで見ることができました。見に行って良かったと思っています。自分が想像したより壁画が小さかったこと、精巧に描かれていたこと、意匠の面白さ等、強く印象に残る内容でした。鳥を表した「朱雀」、亀と蛇が絡まった「玄武」、虎を表した「白虎」、龍を表した「青龍」の4点のうち、自分はとりわけ「白虎」の表情と姿態に豊かな想像力と卓越した筆致を感じました。尾が後ろ脚に絡まって先端が跳ね上がる姿は、古代中国で好まれた図像だそうで、大陸からの影響が強いと考えられます。「朱雀」の翼を広げた姿態も美しく、頭部から羽根へ流れる描線は美しく力強いと感じました。「キトラ古墳壁画」の保存のため取り外しに用いた道具が、図録に掲載されていました。小さなダイヤモンドワイヤー・ソーや各種の道具を、用途によって改良していった様子も書かれていました。製菓道具も含まれていたというのも研究者達の工夫の賜物と思いました。