2014.03.09 Sunday
創作活動では不思議な精神状態になる時があります。今日はそうした精神状態になりました。陶土しか視界に入らず、時間と空間の認識がなくなりました。どのくらい時間が経ったのかわかりませんが、ふとFMラジオの時刻を告げる放送が耳に入り、漸く我に返りました。凝縮した濃密な時間。それは最近読んだ哲学書で言う意志を超えた解脱の世界かもしれません。生み出されるイメージしか見えていず、それを陶土で具現化するため、身体全体が自然に動いていました。疲労を感じず、休むことも忘れ、何かに囚われて、朝から夕方まで作業し続けて、結果的には成形5点を作り上げました。一日に成形5点は今までにない作業能率です。飽くことなき制作に自分でも驚きました。毎回こんな精神状態になってくれれば幸いですが、なかなかそういうわけにはいかないと思っています。ヴァイオリズムの関係なのか、作品完成が未だに見えない焦りなのか、自分ではよくわかりません。とりあえず好調子であったことに変わりなく、次回も期待してみようと思います。
2014.03.08 Saturday
今日は朝から工房に篭りました。いつも通りの制作、これが出来る幸せを噛み締めながら作業に没頭しました。創作活動に関わっていると自分は元気になります。春に向かうこの季節は制作に対するモチベーションが上がってくるようで、疲れは感じなくなります。爆発的なパワーではなく、坦々とした中に感じることの出来る意欲です。ただし、花粉症も出てきて、くしゃみが陶土の埃によるものか、花粉によるものか、わからないのです。制作はしゃがんだり、立ったりすることで身体に負担をかけるので、夜は近隣のスポーツ施設で1時間程度水泳をやってきます。これも土曜日の定番です。工房は相変わらず大型ストーブを点けていますが、窓から満開の梅が見えています。春は確実にそこまで来ているようです。明日も継続です。
2014.03.07 Friday
このところ仕事帰りに工房に出かけています。夜になると工房はめっきり冷え込みます。3月になっても肌寒さを感じるこの頃ですが、工房の寒さは外と同じです。工房は農業用倉庫として建てたため内壁がありません。ストーブひとつでは寒さに敵うわけはなく、夜の作業は1時間が限界かなぁと思っています。ただ集中力だけは増してきます。照明が手元を照らすので、そうした心理が集中力を高めるのではないかと思っています。夜は主に彫り込み加飾をやっています。表面的な細かな作業が向くように思えるからです。蛇口からお湯が出ることが寒さ対策として有効です。陶土は冷たくて手が悴んでしまうので、お湯で手を温めながら作業しています。ただし気分は上々です。よくぞこの環境を手に入れたものだという嬉しさもあって、寒さ以外は苦になりません。FMヨコハマから流れる音楽を聴きながら、黙々と作業するのが自分の性に合っていると思っています。職場ではコミュニケーションを図ることが大切と考えて日々実行している自分が、ここでは素の自分になって物言わぬ素材と向き合っています。肌寒いひとりぼっちの工房ですが、内面の充実があって孤独感はありません。
2014.03.06 Thursday
先日、横浜美術館で開催されている「魅惑のニッポン木版画」展に行ってきました。錦絵から現代に至るまで、日本の木版画は優れた表現と技術を持っていると私自身考えています。改めてその水準の高さに納得しました。印刷物として分業システムが充実していた江戸時代から明治時代にかけて錦絵がその高水準を誇り、また創作版画が始まってからは、作家自らがあらゆる作業に関わって深い表現を会得しています。日本人の体質と木材は合うのでしょうか。小林清親や川上澄生の文明開化を匂わせる画風や棟方志功や恩地幸四郎の斬新な構成、北岡文雄のプロレタリア風の具象世界、さらに若い世代の桐月沙樹に見られる木目を生かした繊細な画風など、ひとつずつ作品を挙げたら際限がなくなってしまいます。自分は今になって銅版画に興味を持っていますが、かつて親しんだ木版画も、時間が許せばもう一度試みたい願望があります。木版画は何といっても摺りが気持ちいいと感じます。和紙に絵の具が染み通っていく感覚にハマってしまいます。そんな作品が220点以上も並んでいれば、自分の内なる力が漲っていくのを感じます。改めて版画好きな自分に気づきました。
2014.03.05 Wednesday
RECORDは彫刻と並んで自分にとって重要な表現活動です。一日1点の平面作品の制作は、たとえ画面は小さくてもなかなか大変です。充分に時間があれば、実験して試行錯誤するところを、仕事から帰宅して夕食を待つ食卓がRECORDの制作現場なので、ぼんやり考えているうちに時間が過ぎてしまうのです。短い時間で集中して構想を練り、下書きを行うのが習慣になっています。飼い猫をからかう暇もなく、下書きに没頭する自分の前でじゃれるトラ吉を追っ払いながら、制作を強引に進めていきます。そんな状況で描き溜めた作品が次第に増えています。RECORDはカメラマンに撮影をお願いして、ホームページに少しずつアップしています。ちょっと前の作品になりますが、2011年8月の作品をホームページにアップしました。霞がかり、おぼろげなカタチをテーマにしました。ご高覧いただければ幸いです。ホームページにはNOTE(ブログ)の左上にある本サイトをクリックしていただければ入れます。