2013.07.02 Tuesday
川の流れ、人の流れ、時の流れ…「流」というコトバには諸行無常の響きがあります。このコトバは安住の地を求めない流離人のようで、繰り返すように見える日常でも、決して同じ繰り返しはあり得ず、限りある命を生きていく私たちの宿命とも取れます。また流麗とか風流とか美しい語彙もあって「流」のもつイメージの幅を感じます。そんな「流」の表現を今月のRECORDのテーマにしました。RECORDは幾度となくNOTE(ブログ)で触れていますが、一日1点の創作を自分に課したもので、葉書大の平面作品を日々作っています。毎晩食卓でエスキースを練り、下書きをしています。彩色は週末に工房でまとめて行うことが多く、完全に一日1点をその日のうちに仕上げることは出来ませんが、それでも年中創作行為をしていることに変わりはありません。今月も紆余曲折しながら頑張っていこうと思います。
2013.07.01 Monday
富士山が世界遺産に登録された記念すべき7月1日を迎えました。富士山には若い頃、家内と無防備な登山をして遮二無二頂上に辿りつき、下山では真っ暗な中で足元も覚束なくなり、人の声を頼りにひたすら降りてくる経験をしました。いわゆる日帰りの弾丸登山で、危険を顧みずに強行したにも関わらず何事もなかったことが本当に幸いだったと今では思っています。その後、須走口が閉じられる事故があって身震いしました。この時、自然を軽く考えてはいけないと自分に言い聞かせました。さて、自分にとって7月は個展開催の月で、1年間の創作活動の結果を出す月でもあります。精神的にもケジメがついて、次のステップに繋がる1ヶ月です。いきおい次作にも精魂を傾けて、今年の個展に負けない新作作りに励むことになります。今月も焦らず休まず頑張っていこうと思います。
2013.06.30 Sunday
今日は朝から工房にいて制作三昧でした。現在、新作として地を這うカタチを作っています。陶彫部品を組み合わせるのは従来通りですが、丸みを帯びたカタチが連結して床を這うように広がっていくイメージがあります。陶彫部品は従来通りタタラと紐作りを併用して成形し、彫り込み加飾を施していきます。イメージが少しずつカタチになって現われるこの時期が楽しいと感じます。創作欲がいつまでも尽きることなく、ますます意気盛んになっています。創作欲が未来永劫続いていくことを信じて疑わないというのが現在の心境ですが、それは人生の願いでもあり、命尽きる最後のひと呼吸まで創作をやっていたいと思っています。久しぶりに展覧会の案内を送ってきた大学の同期の彫刻家が「100歳まで彫刻家」を目標にすると公言してきました。それならば自分は「創作しながら100歳超え」を目標にしたいと思います。新作を作りながら、そんな思いが頭を過りました。
2013.06.29 Saturday
家内の両親が亡くなって、亡父13回忌、亡母7回忌の法要を行いました。家内の親戚は奄美大島から出てきた人たちで、兄弟姉妹間の血が濃く、その中には学問で身を立てた人もいて、自分にとっては芸術の理解者、思索の助言者として並々ならぬ恩を感じています。以前NOTE(ブログ)に書きましたが、カント哲学者であった叔父が亡くなったことが自分には残念でなりません。もっと生前に話を聞いておけばよかったと後悔しています。考古学や声楽をやっている叔父たちは健在なので、悔いの残らない関係を続けたいと願っています。叔父叔母たちの子どもたちとは、従妹会を企画していて、よく付き合っています。法事は亡き人を偲びつつ、生きている私たちの関係をより良くするために行うものと考えています。つまり生きている自分たちのために行うものと割り切った考え方を自分も家内もしています。そんな意味で今日は、墓前にお参りをした後、横浜中華街で美味しい料理に舌鼓を打って楽しいひと時を過ごすことが出来ました。
2013.06.28 Friday
横浜駅地下街の古書店で見つけた「土方久功詩集 青蜥蜴の夢」を読み始めました。詩集は通勤電車の中で内容把握が難しいと思ったのですが、読み始めてみると、具体的で分かりやすいコトバで綴られているので、通勤時間に味わえるのではないかと感じました。昨日のNOTE(ブログ)に書きましたが、土方久功は彫刻家で、ゴーギャンのような木彫浮き彫りを展覧会で見た覚えがあります。詩は彫刻と同じイメージの世界に属している表現で、コトバの組み合わせによって心が呼応・感応していくものだと認識しています。ただし、彫刻にも具象・抽象があるように詩にも比較的平易なものとそうでないものがあると考えられます。本書はコトバを媒体とする具象彫刻のような骨子を持った表現で、言わんとする主旨がよく伝わってきます。通勤時間のちょっとした楽しみを満喫したいと思います。