2012.02.07 Tuesday
現在、「発掘~混在~」の制作を進めている途中ですが、次なる新作のイメージが湧いています。亡父が生業としていた造園を、自分は中学生の頃より手伝っていました。学校の長期休業中は毎日仕事に駆り出され、自然石や植木の運搬で身体が悲鳴をあげるほどでした。決して楽しいと言えなかった造園の仕事でしたが、自分の中にその空間解釈が叩き込まれたのは事実です。それが後になって空間を演出する集合彫刻として出てくるとは思ってもみませんでした。次なる新作は石庭がイメージの根底にあります。配置する自然石と敷き詰めた白砂をどう表現しようか、自然石は陶彫で、白砂敷に流紋をつけた部分は木彫レリーフでやってみようかとも思っています。タイトルを「庭園」としなかったのは、新作がそれほど広い面積を占めず、庭園の一部分を切り取ったような空間を考えているので、敢えて「場」としたのです。石庭を含む日本庭園は歴史的な成り立ちから見て、様々な思想を経て現代に至っています。庭園全体を現代の造形空間に置き換えるには、自分自身が考えなければならないことが多いと感じます。亡父が命をかけた造園を、自分の新解釈によって再構築したい欲求はありますが、それにはまだ時間が必要です。新作「発掘~場~」が小さな一歩になればと考えます。
2012.02.06 Monday
一昨日、東京オペラシティギャラリーで開催中の「難波田史男の15年」展に行って来ました。現代絵画で大きな世界を切り開いた難波田龍起は史男の父にあたります。難波田龍起の絵画は前に何回か見たことがあり、その形象の無くなった茫洋とした世界観に魅かれていました。難波田龍起の次男にあたる難波田史男のまとまった作品を見るのは今回が初めてでした。一言で言えば自己の内面を捉える苦しさに満ちた世界が広がり、そこから紡ぎだされる線描や色彩が才気をもって自分に迫ってくる感覚を持ちました。一見P・クレーのようでいて、でもその線描は難波田史男独特のもので、他の追従を許さないほど奥深い世界があると感じました。心の在り処を軽いタッチで表現し、思惟を重ねつつ次から次へと生み出していく作品群は、短い生涯を予見しているようでした。自分が単純に美しいを思った作品は「不詳(10点組)」と「無題(4点組)」です。グラフィックな要素もあって、その構成に眼が奪われました。心理的な描写では、それに続く小品が秀逸で、しかも多作なのに驚きました。享年32歳。普通ならまだ画学生といってもおかしくない年齢です。お恥ずかしいながらこの歳に自分には発表できる作品がありませんでした。夭折な作家は誰でも初めから作品に深い精神性を湛えています。非凡な才気が漂うのです。自分のような凡人は長く制作を続けて、ひとつのものだけを構築するしか方法がないと思えます。
2012.02.05 Sunday
今日は朝から工房に行って制作三昧でした。昨日書きかけていた「発掘~混在~」の木彫部分の下書きをしました。木を彫る作業は来週末からになります。最終段階の制作工程の中で、この木彫下書きが一番面白いところです。漠然としたイメージから全体構成を捉え、6つのボックス内を陶彫部分と木彫部分に分けて区切りをつけました。土練り、成形、乾燥、化粧掛け、焼成を繰り返し、陶彫の部品は全て完成。次は木彫で厚板に彫り込みを入れ、陶彫部品が設置されるところ以外は全て木彫された厚板で囲む予定でいるのです。先日、区切りに従って厚板を切断、その厚板に今日下書きを施しました。正方形を基本とした彫り込みを考えています。上空から碁盤の目のようになった都市空間が見えるようにイメージしています。表層として在る木彫と奥まったところに在る陶彫。この組み合わせが今回の作品の見せ場です。来週から彫り込みの作業になります。来週末が楽しみです。
2012.02.04 Saturday
今日は午前中に「発掘~混在~」の木彫レリーフの下書きを行い、午後は家内と東京の美術館巡りに行きました。制作工程では今日から木彫の予定ですが、意欲に弾みをつけたかったことと、彫刻家の池田宗弘先生から「DOMANI・明日展」のチケットを頂いていたので、六本木の国立新美術館まで出かけたのでした。池田先生はかつて文化庁在外研修員としてスペインに行かれたので、今回の記念展に出品されていたのです。自分は海外生活をしてきていますが、こうした機会は訪れなかったので、研修をされた方々が羨ましい限りです。研修をされた方々の表現は十人十色で、実力から言っても今後の活躍が期待できる人たちばかりと思いました。国立新美術館の後、東京オペラシティアートギャラリーに行きました。「難波田史男の15年」展を見ました。史男は夭折の画家、しかも父の難波田龍起は現代絵画に大きな足跡を残した人だったので、親子2代にわたって興味関心を持ちました。32歳で船から転落して亡くなった画家は、創作生活15年の間にどんな作品を残したのか、詳細は後日改めて感想を述べますが、痛ましく衝撃的な作品を見て、自分は何とも言えない気持ちになりました。明日は今日の鑑賞を糧にして工房に籠もり、制作続行の予定です。
2012.02.03 Friday
一日1点の作品制作を自分に課しているRECORD。ポストカード大の平面作品ですが、毎晩自宅の食卓で作っています。今年は月ごとに漢字2文字のテーマを決めて作ることにしました。1月のテーマが「萌芽」。今月のテーマは「種子」にしました。展開を考えたら先月と今月のテーマが逆の方がよかったかなぁと思いましたが、1月は「萌芽」でやってしまったので、今月は「萌芽」の源となる「種子」でやっていきます。冬の間に養分を蓄えた種子は、命の源になります。植物が発芽する前の種子の状態は神秘的です。そんなイメージを今月は考えていきます。具象的な傾向も取り入れていこうと思います。RECORDは継続し続けることが、ともかく大切です。途切れないようにイメージを繋ぎとめていきます。