Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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  • 歓送迎会の夜
    現在勤めている職場と今年3月まで勤めていた職場の歓送迎会が重なって、二つの会場をかけもつことになりました。迎え入れられる方と送り出される方、いづれも自分にとっては感慨深いものがありました。迎え入れられる現在の職場の歓送迎会では、自分のことを知っていただくために一芸を披露し、送り出された前の職場の歓送迎会では思い出話に花が咲きました。もうこれで前の職場とは縁が切れますが、とは言うものの横浜市の公務員という狭い世界でのことなので、また次の転勤でかつての仲間と出会い、一緒に仕事をする可能性は十分あります。現在の職場できっぱりと頑張っていこうと決意できた夜でした。                        Yutaka Aihara.com
    「ラ・マシン」都市の劇場化
    先日の日曜日に知り合いの美大生と横浜のみなとみらい地区に出かけていき、横浜開港150周年記念事業のひとつとして来日している巨大グモを見てきました。フランスの「ラ・マシン」が制作した動くオブジェは朝のうちは埠頭のクレーンに吊り下げられていました。自分は午後から用事があって実際に巨大グモが動くところはテレビで見ただけにすぎませんが、それを目の当りにした美大生は雰囲気を満喫できたようでした。これはアート性のあるイベントで、現実の都市空間がたとえば映画になって、それをリアルな状態で観ているかのような錯覚に陥るようです。単なるパレードとは一味違う都市の劇場化に興味を持ちました。一般受けするサブカルチャーではあるけれど、そのスケールと発想に理屈抜きで楽しめる要素があると思いました。Yutaka Aihara.com
    笠間からのお誘い
    茨城県笠間に住む陶芸家からゴールデンウイーク中の陶炎祭開催のお知らせが送られてきました。今年の陶炎祭のパンフレットは墨で描かれた赤い線(というより面)が印象的なデザインでした。笠間に住む陶芸家の人たちは今年どんな作品を作っているのでしょうか。やはり気になって、混雑が予想されるゴールデンウイークに笠間に出かけてしまいます。恒例になっている友達との再会行事ですが、楽しみでなりません。いつもならとても静かな町が、この時ばかりは観光客で溢れます。車も渋滞するというのに、やはり友達や作品に出会いたい一心で、朝早くから陶炎祭の夜祭りを迎える深夜まで、そこにいてお喋りに興じます。今年は、いや今年も5月3日あたりに行こうかと思っています。  
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    本・オブジェについて
    通勤電車に揺られながら読んでいるエッセイは、現代美術と文学を結びつけた刊行物に関するもので、興味が尽きません。書物は昔から大好きで、読書三昧の時期もありましたが、社会に出てからは読む時間が作れず、今は好きな美術関係の本ばかり漁って読んでいます。本は活字に溢れ、それを読むことによってイメージが構築され、様々な世界が立ち現れては消えていきます。本というイメージの閉じ込められた宝庫に溺れてしまいたいと何度思ったことか知れません。本そのものをイメージで造形化する試みはかなり以前からあって、これが本なのかオブジェなのか判断できないものが美術品として流通していたことも30年程前にはずいぶんあったようです。自分は当時美術を齧ったばかりの学生で、表現もままならず、それでも本のオブジェ化、またはオブジェの本への接近を興味をもって眺めていた記憶があります。こうした試みは一時で終わらないでほしいと願っている自分がいます。
    「アララットの舟あるいは空の蜜」
    表題は画家加納光於と詩人大岡信の共作によるオブジェです。学生の頃、どこかの画廊か美術館で見たことがあります。いわゆるボックスアートですが書物としての意味もあるようで、解体すると細切れになった詩が現れるそうです。その詩は読むことも出来ないほど素材に取り込まれていて、なにか謎めいた面白さを感じます。今通勤電車の中で読んでいるエッセイに詳しい経緯が書かれていて、昔の記憶を呼び覚ましながら、再びこのオブジェに興味が出てきました。いろいろなものを寄せ集め、また素材から造形して、イメージを具現化した箱物はその収まっているモノをひとつずつ解明したい衝動に駆られます。じっと眺めているだけでは気持ちがおさまらなくなるかもしれません。自分もこうした作品に魅かれる一方で、「見せない」「閉じ込める」という行為に一体どのくらい意味を持つのか素朴に疑問を感じていた学生時代に戻されていくのを感じました。                Yutaka Aihara.com