2011.01.08 Saturday
初代土錬機は昨年暮れに業者に引き取ってもらい、レベルアップした二代目土錬機が同じ日にやってきました。陶土もクリスマスの時に益子から届いていたので、今日は二代目土錬機を始動しました。土錬機の構造は簡単なので、道具の良し悪しは変わりませんが、モーターがやや大きくなったことで、いい具合に陶土が練られているような気がします。三連休の初日は、この土練りで始まりました。1月に入ってから毎晩工房に出かけ、落款を作ったりRECORDを考えたりしています。制作工程では昨年暮れから途切れることがなく今年が始まっていて、やはり7月個展が一区切りという按配です。今年の窯も10日に始動させるつもりです。ボランティアの子がやってきて、今年の仕事始めだと言っていました。工房は大型ストーブが1台あるだけなので、朝はかなり冷え込んでいます。ボランティアの子がストーブの前を陣取って、通常の制作が始まった感じです。明日は今まで成形加飾が終わって乾燥を待っている作品の仕上げと化粧掛けを行う予定です。
2011.01.07 Friday
非対象絵画の創始者として有名なロシア人画家カンディンスキーは、自分が最も注目している芸術家の一人です。カンディンスキー関連の展覧会は、時間や場所が許すならば必ず見に出かけています。最近では東京丸の内の美術館で開催していた「カンディンスキーと青騎士」展がありました。その展覧会にも出品されていたカンディンスキーの初期の油彩画に自分は特別な愛着を持っています。油彩画はいずれも小さく、童話のような風景が広がる画面です。そこには20代の自分が初めて暮らした南ドイツの村々が描かれていて、自分の思い出と重なるのです。現在読んでいる「カンディンスキー研究」(西田秀穂著 美術出版社)の中に、初期油彩画の考察が載っています。加えてテンペラ画や版画も扱っていますが、完成度が高いとされるテンペラによる代表作を自分は見たことがありません。機会があれば、ぜひ見たいと思っています。木版画も同様です。ドイツ表現派の木版画に、自分は学生時代から影響を受け続けてきました。同書の図版で見る限りテンペラ画は、木版画に似ていて黒一色の画面の中に大きな点描によって人物や風景を浮かび上がらせ、画面構成の強さを感じさせます。次第に対象がなくなっていく過程で、カンディンスキーの心情にどんな変化が起きたのか、同書の展開が楽しみになっています。
2011.01.06 Thursday
RECORDの新シーズン、それから陶彫新作が出来つつある中で、新しい落款を作らねばならなくなりました。先日印材を買いに行って、いろいろな色の石材を選んできました。陶彫は集合体で見せるため、ひとつひとつの部品に番号を付けます。長い間に多くの作品が保管されることになり、作品同士の部品が混ざらないようにするため番号付けを工夫しています。それがこの新しく作る落款なのです。彫り上げた印を和紙に押して番号を付けます。それを部品に貼り付けているのです。印によって作品の制作年が判別でき、部品の混乱を防げます。RECORDも同じです。まず、今日のところはRECORDの落款を作りました。昨年に続きイニシャルをデザインしたものにしました。RECORDの印はモダンに、陶彫は篆刻風に作っています。きちんと篆刻を習ったわけではなく、我流でやっているので文字というより抽象絵画のように印を扱っています。今年の年賀状に押印したものも同じで、文字を解体してほとんど解読不能な平面構成になっています。今日作ったものもアルファベットを解体して非対象絵画(非文字と言うべきか)になりました。
2011.01.05 Wednesday
RECORDとは、ポストカード大の平面作品を一日1点ずつ作り上げていく総称です。自分に課して5年目を迎えています。10年続ければ3650点の作品が手許に残ります。1万点以上になるのに30年かかりますが、果たしてそこまで気力が持つかどうか…。ともかく現在はひたすら作り続けています。RECORDは1年間を一纏めにして、大きく方向性を出していきます。昨日のブログに書いた通り、今年は抽象傾向の作風でやってみようと思っています。昨年は月ごとに、たとえば「絡みつく」とか「渦巻く」というコトバのタイトルをつけていました。描写による具象表現をやっていたので、月ごとのテーマを明確にする狙いがありました。以前抽象的な傾向で作品をやっていた時も、「三角形」とか「正方形」というカタチで月ごとのテーマを決めていた年がありましたが、今年はテーマをコトバにせず、構成的なイメージの成すがままにやってみようと思います。現在は1センチの正方形の集合体をベースにして造形しています。都市を上空から眺めたような鳥瞰的な視点をもった構成画面をイメージしています。
2011.01.04 Tuesday
2010年のRECORDは描写的な要素を取り入れた作品をやってきました。月々のテーマも具象絵画を喚起するものを選んでいました。ペンによる陰影表現は結構楽しんで出来ました。一方で技巧に流れて、ややもすると小手先の上滑りになってしまった反省もあります。表現を掘り下げることは、たとえどんなアプローチをしても精神性が失われると薄っぺらな表現しか出来ず、それは具象抽象に限らず極めて困難なことを知りました。そこで今年のRECORDですが、一昨年の表現方法に戻すことにしました。構成的な要素で再び作品を始めています。陰影をつけた描写から平塗りの構成へ。ちょうど振り子のように具象と抽象を行ったり来たりしています。でも同じところを振られる振り子ではなく、スパイラルを描いて表現が深まればいいなぁという理想はあります。また1年間の長丁場。1ヶ月ごとにテーマを決めて、さらに5日間の展開として毎日RECORDを描いていこうと思っています。たかが葉書大の平面作品ですが、されど日々の蓄積があって、行きつ戻りつ自己を見つめ続けていきます。今年のRECORDはどんなふうになっていくのか、自己発見が楽しみでもあります。