2022.02.02 Wednesday
「仮面ーそのパワーとメッセージ」(佐原真監修 勝又洋子編 里文出版)の最初の章である「総論ーお面の考古学」をまとめます。「奈良正倉院・東大寺・法隆寺には、八世紀のお面が沢山残っていて、伎楽面という名が伝わっています。正倉院宝物には、布に目鼻を描いた布作面もあります。~略~大舎人寮という役所が担当した追儺の行事の記録のなかに、仮面という語がみえるのです。追儺は、古代の宮廷が年末の大晦日におこなった年中行事で、中国に起源をもち、朝鮮半島、日本におよびました。この行事では、方相氏という役が鬼を払います。その方相氏が仮面をつけ、その仮面には黄金に輝く四つの目がついていたのです。」本書では冒頭に日本の伝承が登場しますが、仮面の有無を、狩猟民、牧畜民・農民として分けて考えた文章にまず気を留めました。「お面は本来農民のものであり、狩猟民のなかでは北太平洋沿岸の人びとだけが例外的にお面をもち、わが縄紋文化のお面もその一環をなしている。そして遊牧民はお面をもたない。それが今まで主に民族学から追究したお面と生業の係わりについての結論とみてよいでしょう。」ところが民族学と考古学とのズレが生じていることにも注目しました。「少数の書物、論文を垣間みただけでも、先史時代の各地の狩猟民がお面をつけ、仮装したことを世界の考古学はしめしています。それを網羅的に集成し研究することは、大変な作業になるでしょう。牧畜民のお面ももっとみつかるかもしれません。農業が始まる前に、お面と仮装が世界各地の狩猟民のあいだで誕生したことは疑いありません。~略~先史時代の狩猟民のお面と仮装の目的については、ふつう、およそ三つがあるとみられています。その第一は、生きている人びとと神霊との間を仲立ちして神霊と語り合うことの出来る人、呪術師の装いです。第二は、狩人たちの踊りの装い、第三は狩りのときのおとりの装いです。」おとりというのは、毛皮を装うと動物の体の臭いを放って人の臭いを消すことになり、人が獲物の群れに接近できたということを指します。人がお面をつけて仮装を始めた契機だったのかもしれません。(引用は全て佐原真著)今日はここまでにします。
2022.02.01 Tuesday
2月になりました。相変わらず寒い日々が続いています。新型コロナウイルス感染症のオミクロン株が猛威をふるっていることがあり、ワクチンの3回目接種が始まっています。私にはまだ接種券が届きませんが、接種券が届き次第、今月中にも予約を入れてみようかなと思っています。そんな関係で美術館に行くのも憚れるような気がしていますが、行きたい展覧会や映画もあって、感染症の動向によっては迷いが生じてしまいます。今までも美術館や映画館に行くときは不安と隣り合わせでしたが、感染予防を怠りなくやって、何とか無事に鑑賞してきました。美術館は無言で鑑賞していることもあり、劇場やライブに比べれば、多少安全かもしれません。展覧会情報もこのNOTE(ブログ)にアップしていきますので、よろしくお願いいたします。新作の作品制作に関しては、大規模作品の土台部分の木材加工をやっていくつもりです。来年発表予定のRECORD立体版もあるのですが、まず何よりも今年の夏に発表する新作に腰を据えて頑張って制作したいと考えています。まだまだ寒さが続く2月ですが、制作の手を緩めずに毎日工房に通う予定でいます。風邪を引かないようにしたいと思いますが、風邪と新型コロナの症状が似ているところがあって、心配が尽きません。とくに病床が逼迫していることがあるので、風邪か新型コロナかの判断によっては周囲に迷惑をかけるかもしれず、心底新型コロナの収束を願うばかりです。読書は最近読み始めた仮面に関する書籍を継続していきたいと思います。RECORD平面版は立体版と連動しているので、現状は何とかなりそうですが、実は昨年12月分の積み残しがあって、これをどうしようか思案中です。今月中に挽回できれば良いのですが…。
2022.01.31 Monday
今日で1月が終わります。今月は関東でも雪が降った日があり、本当に寒い日々が続きました。31日間あった1ヶ月のうちで26日間は工房に通って制作に励みました。大規模作品の陶彫部品の追加があり、その成形4点と彫り込み加飾を行いました。そのうち2点は窯入れをしています。同時に今月から新しいコンセプトによる陶彫制作がスタートしました。それは1日1点ずつ作っていくRECORDの立体版で、同じサイズの立方体に毎日異なる彫り込み加飾を施していて、1年間365日で完了する365点の作品です。RECORD平面版もこれに対応して描いていて、来年は立体版と平面版の双方を展示することになりそうです。今回は新作が完成してから次の新作を作るペースではなく、今年夏に発表する新作と並行して、来年夏に発表する作品を作っているというわけです。決して私は多忙な制作状況が好きではないのですが、結果としてそうなってしまっているのです。365点の作品制作は1年間、病気も出来ず、常に精神的にも意欲を保つ必要があり、身体の自己管理を徹底していかなければならず、常に自制を自分に課すことになりそうです。ちょうど新型コロナの影響で、遠出が出来ないことをいいことに新しいコンセプトによる作品に挑戦しているという按配です。例年の初詣は遅ればせながら今月の14日に赤坂の豊川稲荷に行ってきました。美術鑑賞としては「民藝の100年」展(東京国立近代美術館)、「柚木沙弥郎life・LIFE」展(PLAY!MUSEUM)、卒業制作展(武蔵野美術大学)に行って来ました。映画鑑賞としては「呪術廻戦0」(TOHOシネマズ鴨居)に行きました。その他に従兄弟の横須賀古民家ライブにも顔を出しました。鑑賞としては充実していたように思います。RECORD制作は立体版がスタートしていることもあって、今月のRECORDはしっかりやっているのですが、先月のRECORDの下書きだけのものがまだ残っていて、苦しい状況にあります。読書はドイツの造形教育機関であったバウハウスの書籍を読んでいました。今は仮面に関する書籍を読み始めているところです。来月も頑張っていきたいと考えています。
2022.01.30 Sunday
1月最後の週末になり、今日も相変わらず寒い工房で陶彫制作に励みました。今日も高校生がデッサンに来ていましたが、大型ストーブは彼女の傍に設えてあり、私の作業台からは離れています。そのため幾度もストーブの近くに行って手を温めていました。陶土を扱っていると手が荒れてくるため、私は朝晩クリームを手に塗っています。冬場の作業はなかなか大変で、これは陶彫制作に対するデメリットです。午前中はRECORD立体版をやっていて、午後は大規模作品の土台を考えています。夕方、大規模作品の陶彫部品を窯に入れたので、これが無事に焼成されれば、全体の大きさが分かり、土台の木材加工が現実味を帯びてきます。私は創作活動一本なので時間があると認識していますが、一日の仕事量が遅々として進まないのに時折イラついています。教職にあった時はもっと大変だったはずなのに、いつまでも余裕が持てない自分にちょっぴり不満も覚えます。確かに昔に比べれば休憩時間が長くなったかなぁと思いますが、恐らく週末の時間の使い方ものんびりしているのかもしれません。制作工程が着実に進んでいるのを確認すると、気分は楽になってきますが、あれこれ考えながら制作を進めているせいか、集中力は昔より足りなくなっているような気がしています。制作に集中して周囲が見えなくなることが最近はなくなりました。明日が今月最後の日なので、手帳を見ながら総括をしてみようと思います。
2022.01.29 Saturday
週末になりました。このところ週末になると今週1週間の制作状況を書いています。今週は大規模作品の土台のために板材を準備しました。土台のイメージからすると、まだ板材が足りませんが、とりあえずイメージが固まっているところから土台制作を着手しようかと思っています。大規模作品の陶彫部品に関しては、先週の日曜日に窯入れをしていて、今週水曜日に窯から出しました。さらに今日になって陶彫部品のもう1点に仕上げと化粧掛けを施して、明日の夕方に窯に入れようと思っています。大規模作品の陶彫部品は残すところ後2点の窯入れをすれば、陶彫部品は全て出揃うカタチになります。作業としては今夏発表する大規模作品が中心ですが、今月から始めているRECORD立体版もなかなか時間がかかっていて、私の中では存在感があります。RECORD立体版は一辺22cmの立方体で、その日その日によって彫り込む文様を変えています。今週の作業を見ていると、RECORD立体版だけで作業を終えている日もあって、かなり手間暇のかかる制作に多忙な日常を過ごしています。のんびりとした日常がないことは退職者にとっていいことかもしれません。通常のRECORD平面版にしても読書にしても、このNOTE(ブログ)も含めて時間が経つことを忘れてしまう充実感があり、週3回通っている水泳も漸く日常に組み込まれてきた感じがしています。今日は高校生2人が工房にやって来て、デッサンに励んでいました。新型コロナのオミクロン株の影響で、高校も短縮で授業を行っているらしく不自由な生活に慣れてきているのでしょうか。夕方、彼女たちを自宅近くまで車で送ってきました。明日も制作は継続です。