2020.05.19 Tuesday
今朝と言っても午前1時過ぎですが、停電が発生しました。我が家は小高い丘の上にあって、対面にはたくさんの戸建て住宅が見渡せますが、そこは停電をしていないようで、ところどころに明かりが灯っていました。停電は広範囲なものではなく、この一角だけかも知れず、ネットで見てもそんな情報はどこにもありませんでした。大方送電線に何かがあって、一時電気が止まったのかもしれません。私はもう就寝していましたが、家内に起こされてしまいました。家内と私で冷蔵庫はどうなっているか、パソコンはどうなっているかと言いあっているうちに、工房で窯入れしていることに私は気づき、これが一番気になりました。1時間以上停電が続いたため、私は雨が降る中、午前2時に工房へ向かいました。家を出る直前に停電は復活しましたが、念のため窯の温度を確認に行きました。私の作品は釉掛けをしておらず、焼成途中に何かあっても大きな影響はないはずだと思っていました。確認した窯は再稼働を始めていてホッとしましたが、釉掛けでもしていようものならば、全てアウトになってしまうこともあります。そこは焼き締めの強みであり、一旦窯が切れてもまた徐々に温度を上げていく過程で、何もなかったかのように陶彫は仕上がっているものです。過去にも幾度となくそんなことがありました。ただし、制作工程が切羽詰まっている時に、こういう災難は勘弁してほしいと思いました。窯入れをする度に無事焼成が終わってくれることを祈っているのはこうしたことがあるためです。震災の時もそうでした。東日本大震災の時はたまたま窯入れをしておらず、工房の棚に並べてあった小品が落ちていないか心配しましたが、それらは全て大丈夫だったことを思い返しました。今朝は自宅に戻って二度寝をしてしまいました。安心したことでよく眠れたのではないかと思っています。
2020.05.18 Monday
私の立体作品は、陶彫による部品を組み合わせて構成する集合彫刻で、ギャラリー等で展示する際に別々に箱詰めした陶彫部品を取り出して、番号を確かめながら組み合わせていきます。工房では全体像を考えながら部品を別々に作っているのです。今まで数多くの集合彫刻を作ってきましたが、同じような部品が夥しい数になり、どの部品がどの作品を構成するのか混乱してしまうことになりかねません。そこでそんな混乱を防ぐために、陶彫部品ひとつずつにそれぞれ違う印を押し、番号をつけています。印は石材を用いていますが、彫刻作品の素材が陶なので印は和紙に捺印し、そこに番号をつけ、作品の見えない部分に貼っています。つまり新作には新しく彫る印を押しているのです。新作の「発掘~聚景~」の完成が近づき、いよいよ今年も新しい印を彫ることになりました。印も今まで相当な数を彫っていますが、私は伝統的な篆刻に拘らずに、小さな抽象絵画と思って、氏名の文字を大胆にアレンジしています。便宜上やっている作業ですが、これも隠れた創作活動で、印のもつ小宇宙を楽しみながら作っているのです。いずれ日陰の存在である印が表に出ることがあるのでしょうか。書家に言わせればルール違反のヘンな印ですが、私の楽しみのひとつと言えそうです。陶彫制作と併行して長年の間、印を作っていると自分のデザイン傾向が分かってきます。新しい空間獲得のために印も紆余曲折していますが、それでも文字のバランスだったり、彫る部分と残す部分の関わりだったり、絵画的な思考が読み取れます。毎年もっと大胆にやってみようと思っていて、文字として読めそうもないところまで構成がいってしまうこともあります。もうひとつの陶彫作品「発掘~突景~」も印を作る予定です。
2020.05.17 Sunday
今日は朝から工房に篭りました。大作「発掘~聚景~」では屏風と床を繋ぐ陶彫部品が残り数点になり、それらの成形をやっていました。いずれも大きな陶彫部品ではありませんが、数多く作らねばならず、切迫した焦りを感じました。途中で混合している陶土が足りなくなり、土錬機を回す手間があり、焦りがさらに増長してきました。5月31日(日)を図録用の写真撮影日に決めてあり、そこから割り出して、次の週末までに何をすべきかを考えました。その際に窯入れは何回くらい必要かを考えました。今日の夕方に小品「陶紋」5点を含めた7点の窯入れが出来ました。水曜日か木曜日にもう1回窯入れを行ないます。その窯入れは「発掘~突景~」の陶彫部品3点で、窯の温度が安定し下降し始めたら、柱の木彫をやらなければならず、まさに陶彫制作は正念場を迎えています。午後は菩提寺に家内と母の遺骨を取りに行きました。今月末は母の四十九日もあって多忙を極めた1ヶ月になっています。ついでに雑貨店に蝶番を購入しに行きました。これは「発掘~聚景~」の屏風を繋ぐ金具になるのです。窯を焚いている日は工房が使えないので、その日を職場勤務にしようと思っていますが、外会議が少しずつ増えてきて、なかなかうまく調整がつきません。頭を過ぎるのは7月に個展があるのかどうかで、結論は来月になってギャラリーせいほうから連絡が来ます。どちらにせよ撮影はやっておこうと思っています。焦りからくるものなのか胃腸の具合の悪い日があります。それでもリフォームが完了した自宅にいると、すっきりした空間が目前にあって気持ちが救われます。創作活動は精神的なものに占められていて、ひとつクリアすると心が楽になっていくのが分かります。この精神的なものは常に前向きなもので、決してネガティヴなものではありません。非日常に生きているわけですから、生活がかかっているわけではなく、自分を快い状態に保つアイテムなのだと自分に言い聞かせているのです。
2020.05.16 Saturday
今日の午前中に自宅リフォームを担当してくれた業者がやってきて、最終チェックを行なった後、リフォームが完全に終わったことを伝えてくれました。自宅は30年前、亡父が残してくれた植木畑に建てました。因みに農道を挟んだ別の植木畑に工房があります。自宅は築30年の間、一度もリフォームをすることなく過ごしてきましたが、昨年の大型台風によって屋根や外壁に雨漏れが生じ、雨樋も壊れてしまったために、外装の大がかりな修復工事を行なったのでした。NOTE(ブログ)のアーカイブによると昨年の11月23日(土)に外壁工事が始まったという記載があります。12月27日(金)に外装工事が完了し、次の段階として内装のリフォームを計画しています。設計が始まり、システム・キッチンを選びにショールームを訪れたのが今年の2月8日(土)だったようです。実際の工事が始まったのは3月23日(月)で、それから1ヶ月半は不自由な生活を強いられました。リフォームは完成してみると、実に素晴らしい空間を創出してくれる結果になりました。箱詰めした荷物がそのままの状態になっていて、断捨離をしながら片づけをするのにまだまだ時間がかかりそうですが、私にとって生涯最期の住空間になるであろう自宅はかなり満足を与えてくれています。新型コロナウイルス感染防止のために外出自粛になっていることも、今後の荷物整理に役立つと考えるようにしました。そうでなければ、家内は演奏活動が忙しくて、ずっと自宅に篭ることが出来なかったからです。私も家内も漸くリフォームが終わったという気持ちになったところで些か疲労が出てきました。午後私は工房に行きました。疲労があっても制作工程は待ってくれず、屏風を並べ、床に陶彫部品を置いて、あとどのくらい部品が必要なのか見積もりました。さっそく繋ぎ用の陶彫部品作りに着手しました。幸い気温が高くなってきたので、陶彫部品の乾燥が早く進んで窯入れも早々に出来そうです。今月末までに新作が全て完成するかどうかヒヤヒヤしています。毎年こんな危うい綱渡りをしていますが、今までも気持ちに余裕が生まれることはなかったように思います。明日も制作は継続です。
2020.05.15 Friday
職場勤務と自宅勤務を正副管理職で交互にやっている生活が続いています。先行きが見えない不安を抱える中で、こんな事態は社会人になって初めてのことですが、海外での留学を含め長い学生生活を送ってきた私は、暇人として生きた時間が多かったために現在も暇を持てあますことなく日常が送れているのではないかと思います。身分が公務員なので民間の大変さから比べれば呑気なことを言っていると受け取られるかもしれませんが、責任職としてさまざまな事態を想定していることも確かです。私の若い頃からの日常には読書が欠かせない存在です。私は決して速読ではありませんが、鞄に年中書籍を携帯し、常に栞を挟んでいて読書途中であることが日常化しているのです。私はどこでも時間があれば頁を捲っています。創作活動にはそれなりの構えが必要ですが、読書は難なくその世界に入っていける気楽さがあります。前にどこかで書きましたが、一冊の書籍の中には広いイメージ世界があって、頭が冴えている時には、活字から紡ぎ出されるイメージは鮮明で豊かです。映像等のビジュアル表現とは異なり、活字を手掛かりに自分の蓄積された記憶を総動員して、自分勝手な世界を作り上げるのが読書の醍醐味と言えるのです。日常を忘れさせてくれるひと時は、私にとって至福な時です。ただし、難解な書籍は自分の語彙に対する力量の有無や全体の意味把握、つまり理解力に対する己への挑戦があり、時には諦めの気持ちも湧いてきます。若い頃は堪え性も忍耐もなく途中で放棄してしまった書籍が多々ありました。今は若い頃に比べれば体力がなくなっているにも関わらず、知力はそこそこ身についているようで、数行読んでは立ち止まる専門書にも何とか食らいついています。そんなことで遊べる自分は、新型コロナウイルス感染症の影響で外出自粛が呼びかけられていても、読書癖で保つことができるのです。現在のNOTE(ブログ)に頻繁に読書感想が出ているのは、そんなことに関係しています。