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  • 「サン=ラザール駅」
    昨日のNOTE(ブログ)の続きです。「オルセー美術館展」で注目した作品に「サン=ラザール駅」があります。画家クロード・モネが1877年に描いた油彩です。雰囲気というコトバは、実態があるようでいて曖昧であり、でもその空気を纏っている状況を意味しています。雰囲気に惑わされないように本質を掴めと、学校の技術修得の実習では教わりますが、雰囲気というコトバはそれでも気になるコトバで、作品構成要素の大きなひとつではないかと自分なりに思っているところです。「サン=ラザール駅」はその雰囲気をまず第一に鑑賞する絵画だと感じます。モネは晩年になって睡蓮の連作を大きなスケールで描きました。これはモネが水面描写に心血を注いでいて、睡蓮を媒体にして水の雰囲気を描いていると自分は感じています。「サン=ラザール駅」はどうかと言えば、空気を描いていると感じます。画面に近づくと何が描いてあるのかよくわかりません。遠くで見ると鉄筋で作られた駅舎と発着する機関車の姿が俄かに見えてきます。都市生活の始まりと言うか、新素材による都市景観を機関車が吐く煙に包んで表現しています。都市の工業化に詩情を求めて描いた傑作と言えるでしょう。印象派は、画室に篭って神話を題材にして美しい女性像を描いていた当時の画家に比べると、眼の前に広がるリアルを追求した運動とも言えます。この曖昧模糊としたモネの絵画もリアルな空気を纏っています。視覚芸術の価値が時代と共に変わっていくのを、雰囲気で感じ取ることができると思いました。
    「床に鉋をかける人々」
    先日見に行った国立新美術館で開催中の「オルセー美術館展」。全体的な感想はNOTE(ブログ)に既に書いてありますが、いくつかの作品が気になっていたので、改めて個々の作品を取り上げてみたいと思います。表題にした「床に鉋をかける人々」はギュスターヴ・カイユボットが1875年に描いた油彩で、3人の筋骨逞しい労働者が上半身裸で、床に鉋をかけている場面を俯瞰的に表した作品です。以前ブリジストン美術館で「カイユボット展」がありました。その時は「床に鉋をかける人々」の出品はなく残念に思っていましたが、今回はオリジナルを見ることが出来て満足感を覚えました。自分はどこかの図版で「床に鉋をかける人々」を見ていて不思議に惹きつけられたのでした。光の美しさ、遠近感の奇抜さ、それでいて日常の労働に見られる仕草等々、何が自分の感情の襞に引っかかったのかうまく説明できませんが、自分の印象に残る絵画のひとつであることには間違いありません。オリジナルが見れたという嬉しさは、それだけでここに来てよかったと思えるもので、他の歴史に残る名作の数々は単に確認するだけなのに、自分の記憶に留めていた作品との遭遇は、自分の内面に問いかける契機になって、嗜好による自己発見になります。嗜好は自分にとって至高であり、思考でもあります。当時のヨーロッパ絵画のテーマが日常の出来事に向けられつつあったという背景を踏まえながら、自分はオリジナルの前で何も考えずに「床に鉋をかける人々」に見入っていました。
    「魅惑のコスチューム:バレエ・リュス展」
    自分の個展が開催された先月中旬に、ギャラリーのある東京銀座に行く前に六本木に立ち寄り、国立新美術館で開催されている「魅惑のコスチューム:バレエ・リュス展」を見てきました。職場においてあった新聞の記事で知り、面白そうと思ったのが展覧会に行く契機になりました。バレエ・リュスはロシアのバレエ団で、セルゲイ・ディアギレフによって20世紀初頭に結成され、多くの芸術家が関わり、一国を超えた文化の発信となったようです。展覧会場はオープンスペースの空間を確保し、全体的に暗くしてありました。それぞれの衣裳に照明があたって、布に施した刺繍や染め抜いた色彩が大変美しく、またデザインの斬新さが眼に焼きつきました。衣裳がこれほど面白いとは思っても見ませんでした。バレエによっては衣裳をシンプルにして、身体動作を際立たせる方法がありますが、今回展示されていた衣裳は、衣裳だけで鑑賞できるものばかりで、美術的な要素の濃いものでした。舞台装置に興味のある自分にとっては嬉しい企画でした。キュビズムのブラックや未来派のデ・キリコ、フォービズムのマチスやドラン、シュルレアリスムのマッソンらがデザイナーとして参加しているのも興味深いものでした。
    週末 土を砕いて水を打つ
    今日は朝から工房に行きました。気温は33度ですが、工房内の気温はそれ以上かもしれません。思っていた通り、放置した陶土20キロくらいが乾燥しかけていて、細かく砕いて水を打つ作業を行いました。新作陶彫の下準備です。土錬機も回してみました。分解掃除までは必要ないかなぁと思いつつ、これから始まる土練り作業は肉体労働の第一歩として覚悟を決めました。それにしても工房は蒸し暑く忽ち汗が滴り落ちました。上着を何枚か替えて水分の補給を行いました。今日の工房には若いスタッフが2名来ていました。それぞれ課題をやっていましたが、お互い熱中症にならないように声を掛け合いながら作業を進めました。昼にはスタッフ2名と私で近くのファミリーレストランに避暑昼食に行きました。エアコンの効いたレストランでランチメニューを注文しながら、暫し歓談し、午後の作業に向けて英気を養いました。夕方まで作業をしたところで、疲れ果てたスタッフをそれぞれの家まで車で送ることにしました。朝8時から午後3時過ぎまで、よく集中できたと思います。夏季休暇前に制作の下準備をしたことで、いよいよ次回から新作の陶彫制作に入ります。
    週末 夏季休暇の準備
    来週は夏季休暇を飛び石で取ります。木曜日からカンボジアに出かけるので、今日は旅行グッズを家内と買いに出かけました。昨日から横浜市管理職の宿泊研修があって、午後に自宅に戻ってきましたが、どうやら疲れも出て、工房に行く気が起きず、結局気軽なショッピングで時間を過ごしました。年齢のせいと思うのは癪ですが、何か一つの行事が終わると、疲れが出るのはやっぱり年齢のせいかなぁと思っているところです。一方で工房に置きっ放しにしてある陶土が気になっています。ビニールで包んでありますが、この暑さで陶土内の水分がなくなっている可能性があります。細かく砕いて水を打って、再度梱包しておく必要を感じています。RECORDも気になっています。今月は旅行があるので、それに纏わるテーマを考えています。ともかく明日は工房に行って陶土の様子を見てこようと思っています。