Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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  • 色鉛筆 表現の幅広さ
    最近のRECORDに色鉛筆を多用しています。RECORDとは自分に課した一日1点作品を作るもので、大きさはポストカード大、机上で出来る小さな絵画と考えています。今までいろいろな技法を使いましたが、鉛筆で下書きし、アクリルガッシュで画面下地を作り、耐水性のペンでカタチを描き起こす方法が、自分にとって最もポピュラーな方法になっています。コラージュやドリッピングをさらに加えることもあります。このところほぼ出来上がった画面に色鉛筆を加えることで、ペンとは違う雰囲気を楽しんでいます。ペンは描画としての決定力があり、曖昧さを排除していく強さがあります。鉛筆下書きの迷いが払拭されて逞しいカタチに生まれ変わります。ただ、それが創作のすべてという訳ではなく、茫洋とした空気感や詩的情緒、抑揚の効いたモチーフが絡み合ってこそ、表現の深さに到達できるとも考えられます。色鉛筆はそんな表現によく合います。軽妙さも深さも表現できる幅広い描画用具だと言えます。これからもイメージによって用具を使い分けていこうと思います。
    苦悩漂う絵画との出会い
    実物を見たことがないのに、図録だけで表現の深淵、漂う苦悩と妖気に圧倒された絵画があります。それは夏に訪れた練馬区立美術館のギャラリーショップで偶然手にした画家深井克美の図録でした。深井克美は、図録の解説によると脊椎変形という障害を持ち、31歳の若さで投身自殺をした画家だったようです。作品は自己の内面をグロテスクに表現していて、自己閉塞感のある何ともやりきれない鬱屈を吐露していると感じます。自分は20代でウィーンにいたせいか、ウィーン幻想絵画と深井ワールドの接点を見たように思いました。図録の解説にもあるとおり、R・ハウズナーの緻密な点描表現の影響があるのかもしれませんし、むしろE・フックスの象徴表現にも通じるものがあると自分は思いました。描くことで身体的苦悩から解放される欲求もあったかもしれません。絶望だけではなく透明感のある希望が頭をもたげているのも深井ワールドの特徴で、それがあるからこそ結果的に魂の救済が全体に染み渡る美しい絵画になっていると思います。生きることと描くことが一体となった絵画表現に思わず惹きこまれていくのは自分だけではないと思います。
    三連休の終わりに…
    三連休最終日です。今日は朝早くから工房に出かけ、昨日タタラにしておいた陶土を立ち上げ、新しい陶彫部品の成形を行いました。タタラだけでは保てない箇所には陶土を紐にして補強しました。作業で3時間ほど汗を流し、午前10時には先日NOTE(ブログ)で紹介した2人展に出かけました。車で走ること20分、横浜山手の港の見える丘公園に到着、向かいの岩崎美術館脇の駐車場に車を入れて、エリスマン邸まで歩きました。エリスマン邸地下ギャラリーで開催中の「ココカ裸展」は観光客も含めて、よく人が入っているようでした。若い画家の卵たちの絵画やデッサンは、まだ画風の完成を見ない発展途中であり、将来の可能性に期待できると思いました。午後は再び工房に戻って作業の続きを行いました。三連休はどうだったのか、作業の最中にさまざまなアイディアやイメージが頭を駆け巡り、暫し手を止めたこともありましたが、ウィークディの仕事から完全に解放されて、彫刻のことだけ考えて過ごすことができました。より深く自己を見つめ、何を表現するのか、どんな表現が自分に相応しいのか、もう一度原点に返って考え直したこともありました。思索期間として捉えれば三連休は良かったと思っています。作業と思索双方にどっぷり浸かった時間が経過し、これからは制作工程を見据えながら無心に取り組んでいきたいと思います。
    三連休 制作メモについて
    本来なら雛型を作ってから彫刻制作を進めたいところですが、時間がなくて大まかなエスキースで実寸の彫刻に取り掛かっています。前にエスキースを細部まで描いたこともありましたが、予め出来上がったエスキースがあると陶彫だけは上手くいきません。それは自分の感覚によるものだと思いますが、自分にとって陶彫は頭にあるイメージだけで作った方が気に入ったものが出来るのです。陶土の特性を生かし想定にない効果を期待するためかもしれません。現在、成形中の今までにないくらい大きな陶彫部品で構成される新作「連築」は、7点でひとつの世界を表現しますが、まだひとつも窯に入れていないため、焼成中に窯内で潰れることも考えています。部品のひとつが駄目になれば、同じ大きさで成形をやり直さねばなりません。陶を扱う以上、常に最悪のシナリオを頭に浮かべていますが、万一そうなれば精神的にも厳しい思いがこみ上げてきます。過去に幾度となく経験した苦い思い出ですが、そうなれば時間的な猶予もなくなって、いつまでも落ち込んでいられず、すぐに作り直しを行います。その際、部品一つひとつのサイズが分かっているとやり易いのです。そのため今日はサイズをメモしたノートを作りました。完成を描いたエスキースより、失敗用の制作メモが役に立つのです。今日午前中は「連築」4点目のタタラ作りに取り組み、午後は土錬機を稼動させて土練りを行いました。まだ暑い工房で汗をかきながら肉体労働に励みました。
    三連休 陶彫成形どこまで…
    今日から三連休です。土練りをしながら陶彫成形に明け暮れる三連休になりそうです。果たしてどこまで出来るのか、意欲が続く限りやっていきたいと思います。今日は大きな陶彫部品の彫り込み加飾を行いました。RECORDの彩色も行いました。蒸し暑い工房の中での作業は、朝から夕方までやっていると次第に疲れが出てきて体力の限界を感じないではいられません。制作はただ手を動かすだけの作業とは違い、気持ちが入ってくると汗が噴き出てきます。作品は精神の産物だなぁとつくづく思います。夜は近隣のスポーツ施設に出かけ、水泳をしてきました。水泳は精神の緊張を解すのに最適です。水の中で身体を伸ばしながら無心で泳いでいると頭の中がカラッポになります。心身のバランスをとるために定期的に水泳をやっているのです。今日を振り返れば、もっと作業が進められたと思うのですが、これは明日に期待したいと思います。