Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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  • 週末 多摩美大の芸祭へ
    私の工房に出入りしている若いスタッフの中に、今年度から多摩美術大学でグラフィックデザインを学び始めた学生がいます。彼女の案内で、工房に出入りしている学生2人と私を加えて、合計4人で八王子にある多摩美術大学の芸祭を訪れました。芸祭というのは美術系の大学の学園祭のことで、学生主催の模擬店や展示があります。私たちは10時半の開門と共に入場して、まずフリーマーケットに立ち寄りました。フリーマーケットは年々数が増えているように感じています。手作りの小物を売ることで、学生にも売れ筋の状況が分かるのではないでしょうか。展示物も卒業制作展とは異なり、祝祭的傾向があって賑々しい展示で溢れていました。学生の作るモノは、その巧拙はともかく、楽しさでいっぱいです。なかには真摯に素材に立ち向かった痕跡のある作品に目が留まり、感心するものもありました。この時期に手間を惜しまず創作できる機会は、大変貴重であると私は思っています。美大で過ごした後、社会に出ていく彼らは、美大で培ったモノ作りの意欲をどうか忘れないで欲しいと願うばかりです。学内を案内してくれた彼女も、店で小物を売っていた彼らも、とてもよい表情をしていたのが私は印象的で、創作活動で育まれるパワーが遺憾なく発揮できるのは、世の中が平和であるからこそと私は感じていました。世相が不穏になれば、若い芽は忽ち摘み取られてしまいます。世界に目を向ければ、そうしたことが実際に起こっていると言わざるを得ず、この雰囲気を絶対に壊してはならないと感じたのは私だけではないはずです。芸祭にやってきて、ここの和気藹々とした空気を吸い込んで、私も含めてこうした創作活動がいつまでも続くように祈るばかりです。
    文化の日 映画「M・マルソー 沈黙のアート」雑感
    今日は文化の日です。朝から工房で制作三昧でしたが、夕方から横浜の中心地にあるミニシアターに行こうと家内と決めていました。観たのは「マルセル・マルソー 沈黙のアート」で、パントマイムでは世界的に知られたパフォーマーを扱ったドキュメンタリー映画でした。マルソーは白塗りメイクでシルクハットに赤いバラをつけた独特な衣装で知られた人で、私もテレビ等で見たことがありました。私は当初、マルソーの本流であるパントマイムをたっぷり流してくれるものと思っていたのですが、映画はマルソーの妻、娘、孫が語る本人の生きざまを浮き彫りにするもので、マルソーの身体表現は部分的にしか出てきませんでした。それもそのはずでパントマイムに息づく抵抗の精神があるからこそ、マルソーの演技は国や時代を超えて私たちに訴えてくるのです。マルソーはユダヤ人であり、父がアウシュヴィッツで処刑されていました。第二次世界大戦で彼はレジスタンス運動に身を投じ、多くのユダヤ人孤児をスイスに逃がしていた事実を知りました。映画の中で私が印象的だったのは、マルソーが影響をうけた俳優がチャップリンだったこと、逆に影響を与えたアーティストがマイケル・ジャクソンだったことでした。チャップリンは彼の映画の中で社会に対する抵抗や風刺を喜劇要素たっぷりに描いており、マルソーのパフォーマンスはそこに由来すると思いました。マイケル・ジャクソンのムーンウォークはマルソーの動きから生まれたもので、その動きを観察すると成程と思えるものがありました。現代はダンスミュージックが盛んに行われていますが、その原点とも言うべきパフォーマンスを知ったことで、映画から得られた収穫があったと私は考えました。
    HPにRECORDを順次アップ
    2021年のRECORDが暫くの間ホームページにアップされていなかったため、順次これをアップしていくことにしました。一日1点制作をノルマとして自分に課しているRECORDは、文字通りイメージの記録です。それをホームページにアップする際に、私は毎月コトバを付けています。コトバは視覚作品とは直接関係ありませんが、テーマは一緒です。視覚作品の説明にならないようにテーマだけ敢えて統一しているのです。RECORDは日々の記録と前述しましたが、2022年は特別な扱いにしています。この年から工房で日付のある陶彫立方体を作るようになり、RECORDとの連動を考えるようになりました。理想としてはRECORDで陶彫立方体のアイデアを試作し、それを彫刻にする予定でしたが、平面と立体の表現の違いがあって私は悩みました。平面でやろうとしたことが立体になると出来ないのでした。陶土で作るという重力の関係や、焼成する際に罅割れのないような彫り込み加飾をしなければならず、平面に比べると立体は不自由な表現だと気づきました。結局、2022年だけはRECORDが先行することなく、陶彫制作と同じ歩みで進めているのです。今年の2023年は元に戻して、例年のようなRECORD制作をやっていますが、いつものようにコトバを捻りだすのに苦心しています。視覚作品にコトバは要らないと思ったこともありましたが、私は言語を媒体とする表現が大好きなので、こればかりは諦められないのです。今後もホームページにRECORDのアップを適時していきます。
    秋が深まる11月に…
    秋が深まる11月になりました。つい先日まで酷暑と闘っていたのに、工房の周囲では紅葉が始まり、朝晩は寒くなりました。この季節は創作活動には絶好の季節で、とにかく制作を前に進めたいと思っています。今月も平日も週末もなく毎日工房に通い続けることになりそうですが、時に鑑賞を入れていきます。先月は美術館へはよく出かけましたが、映画館へは行けず、最近では生の音楽や演劇を観る機会もめっきり減っています。少なくても映画館へは足を運ぼうと決めています。2年前に教職を退いてから、多少なりとも余裕が生まれるかと思っていましたが、今となってはそれは妄想でしかなく、毎日制作に励む毎日です。週2回は近隣にあるスポーツ施設に水泳や水中筋トレに通っています。長く創作活動を続けるために体幹を鍛え、筋肉の衰えを防ぎたいのです。以前ならマスターズ大会に出て記録を伸ばそうとしていた時期がありましたが、今はあらゆるものが創作活動に収斂していく塩梅です。自分のために費やす時間は本当の意味での満足を自分に与え、生きがいを齎します。創作活動では知的好奇心も芽生え、そのための読書も必須です。彫刻制作に纏わる学問には哲学や現象学、民族学などが挙げられますが、それだけに限らず興味関心の赴くまま、何でも吸収していこうと思っています。私自身はもともと内部に潜む才能は乏しく、外部刺激によって才能を育てていく必要を感じています。若い頃からあった知的興味に対する渇きのような欲望はその現れではないかと思っています。秋が深まる季節だからこそ、自分の創作欲求に従い、日々大切に過ごしていくつもりです。
    10月は秋めいて…
    今日は10月の最終日でハロウィンです。ハロウィンとは何か、ネット記事を参照すると、ハロウィンは古代ケルトの伝承に由来するようで、そこでは冬の季節の始まりである11月1日に収穫祭を行う風習があったようです。この収穫祭は毎年現在の暦で言えば10月31日の夜に始まり、祭司たちは、かがり火を焚き、作物と動物の犠牲を捧げ、また、火を焚いて悪いシー(ケルト神話の妖精)などが各家庭に入らないようにしたのがハロウィンの起源ではないかと言われています。日本では何故かコスプレで騒ぐ行事になりましたが、どうしてそうなったのでしょうか。さて、やっと秋めいてきた今月の創作活動等の総括をしたいと思います。今月は31日間あるうち29日間を工房に通いました。窯の修理があり、その修理完了後には4回の焼成を行いました。カメラマンを呼んでRECORDの撮影があり、陶彫制作だけではなく、RECORD制作にも弾みがつきました。陶彫、RECORDともに充実した1ヵ月だったと思っています。美術鑑賞では「キュビズム展」(国立西洋美術館)、「京都・南山城の仏像」展(東京国立博物館)、「激動の時代 幕末明治の絵師たち」展(サントリー美術館)、「ジョセフ・アルバースの授業」展(DIC川村記念美術館)、加えて彫刻の師匠が出品している「自由美術展」(国立新美術館)に行ってきました。1ヶ月で5つの展覧会を回ったのは珍しいことで、これも制作と同じように充実していたと言えます。今月は久しぶりに地元の市立中学校に学校運営協議会で関わる日もあって、教育の現状を垣間見てきました。読書は「古寺巡礼」がもうすぐ読み終わるところで、古都の寺院に思いを馳せるのは秋めいた今月だからこそ情緒を感じさせるのかもしれません。